実は、電車の中の時間つぶしのために本屋さんで買った本だったのですが、読んでみたらおもしろかったです。乙にとっては、まさに衝撃の書でした。
本書は、綿密な調査に基づいて書かれています。さまざまなものに関して具体的な金額が出てきますが、それらはちゃんと裏付けがあります。
乙は、普通のサラリーマンですから、「夜の遊び」とは無縁で生活してきました。ですから、その種の金額などはまったく知らなかったのですが、本書でいろいろと知ることができ、たいへん興味深かったです。
p.24 では、銀座のホステスの年収が、「ヘルプ」の場合で 720〜1200 万円と書いてあります。売れっ子のホステスだと 3000 万円だそうです。客側にしてみれば、そういう人に人件費を払って遊ぶわけですから、客の支払いも当然多くなることでしょう。普通のサラリーマンには手が出せないと思います。
p.26 からは「愛人契約」の話も出てきます。毎月のお手当が数十万〜数百万円だそうですから、これまた相当な金額です。愛人がいるという人は、相当にゆとりがなければいけません。
p.28 では、高級クラブで働くホステスのお金の使い道が出てきます。何と、「投資」だそうです。客との会話の影響だそうですが、さもありなんです。この分野で有名な浅川夏樹氏も、ホステスでありながら投資家ですが、実は、そういう人が多いのですね。
浅川夏樹(2007.12)『夜の銀座の資本論』
2008.1.7 http://otsu.seesaa.net/article/76917529.html
などと重ね合わせて読むと興味深いことと思います。
p.40 では、ホストクラブの話が出てきます。利用者の多くは、ホステスと風俗嬢だということですから、これまた驚きでした。p.41 にアンケート調査の結果が書いてありますが、たぶん正しいと思われます。乙の知らないディープな世界が広がっているようです。
p.53 (pp.58-64) 「昼クラ」にも驚きました。お昼のクラシックコンサートのことですが、今やたくさんの主婦がこういうところにお金を使っているんですね。
p.119 では、援助交際の相場まで掲載されています。最も高いのは小学生で10万円以上、中学生で5〜10万円、高校生で5〜6万円、人妻で2〜3万円だそうです。よく調べたものです。
上に例示したものは、ごく一部であって、本書を読んでいくと、この種の話が山ほど出てきます。「夜のオンナ」だけでなく、産業としての性風俗店やラブホテルなどのお金の動きも解説されています。
社会問題や経済問題、国際問題の面もきちんと書き込んであり、門倉氏の力量は大したものです。
「夜のオンナ」に詳しくない人も、逆にたくさんの経験がある人も、本書を読めば目からウロコでしょう。お金を通してこの世界を描ききった門倉氏には拍手を送りたいと思います。
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