中国が、IT製品へのソフトの設計情報を開示させる制度を作るのだそうです。
http://www.nikkei.co.jp/china/news/index.aspx?n=MMCHc1007025092008
これに対して、日米欧の経済界が共同で懸念を表明するようです。
このニュースには驚きました。記事には「中国政府が外国企業にIT製品を制御するソフトウエアの設計図を開示するよう迫る。対象は「基本ソフト(OS)一体型の製品」「ネットワークの監視システム」など13分野にのぼる。情報を開示しない場合は中国で製品を販売できなくなる。」とあります。
さらに、
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20080920-OYT1T00799.htm
には、より詳しく、「IT製品を制御するソフトウエアの設計図「ソースコード」を中国当局に開示するよう強制し、拒否すれば、その製品の現地生産・販売や対中輸出が一切できなくなる。」と述べています。
これってすごい制度です。だって、OSをどう作っているか、それをソースコードで全部開示せよというのです。これでは、知的財産保護はどうなってしまうのでしょうか。中国政府に開示した情報が、その先、安全に扱われる(中国国内の企業などに流れない)と保証できるのでしょうか。さもなければ、政府が支援するどこかの企業に中国政府からソースコードが流れる可能性があり、その企業はあっという間に外国製品と同等の性能を持つ製品を作ることができるでしょう。ソースコードは、開発に携わってきたおおぜいの人々の叡智の結晶です。その価値は計り知れません。外国企業にしてみれば、そう簡単に外部に見せるなんてとんでもないことです。
こんな制度が登場したら、中国にIT製品を輸出しないと判断する外国企業が出てもおかしくありません。
この問題に関して、ネット内には、あまりいい情報はありませんが、大前研一氏の「ニュースの視点」
http://www.ohmae.biz/koblog/viewpoint/1181.php
がわかりやすいと思います。
これが簡単に実現できるとは思いませんが、そもそもこういうことを発想すること自体が問題だろうと思います。
中国は、まか不思議な国です。
エントリーの中国の法案ですが、私はメーカー勤務なので気になっていたニュースでした。ソースや設計図の開示なんて普通に考えたら絶対できません。
このあたりが社会主義国なんですね。特許権や著作権なども含めてこういった思想では新しいものを発明しようという人が居なくなってしまいます。
もし成立するようなら多くの企業は中国市場から撤退することになると思います。今後も注目していきたいと考えます。