2008年11月26日

CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)

 今回の世界の金融危機については、アメリカのサブプライムローンから始まって、CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)が影響して今回のような事態になったといわれています。
 そこで、ちょっと CDS について調べてみました。
 まずは、一番手軽に Wikipedia です。「クレジット・デフォルト・スワップ」という見出しで解説がありました。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AC%E3%82%B8%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%87%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%83%AF%E3%83%83%E3%83%97
 ちょっとわかりにくいですが、一応、読めば納得できます。
 なお、この Wikipedia の補足記事のような話が
http://q.hatena.ne.jp/1225470764
にありますので、読んでおくといいでしょう。
 他に、CDS の簡略な説明として
http://nikkei225kuroiwa.blog90.fc2.com/blog-entry-1380.html
http://www.findai.com/yogo/0302.htm
があります。
http://www.gamenews.ne.jp/archives/2008/02/cds.html
では、CDS を「債務保証」と比較しながら説明してあるので、わかりやすいと思います。
http://www.104ka.com/2008/09/cds.html
も、具体例が書いてあって、わかりやすいです。コメントも充実していて勉強になります。
http://japan.pimco.com/LeftNav/Bond+Basics/2007/Bond+Basics+CDS+JPN.htm
では、5年契約のときの受取額・支払額も図で示してあって、とてもわかりやすいです。
http://cloudkimagure.blog.shinobi.jp/Entry/381/
では、CDS を宝くじにたとえて説明しています。
 また、「CDSの総額が一応60兆とか80兆ドル位だろうと言われています。どこの国にもそんなお金はありません。」とあり、本来の「保証」と切り離されたマネーゲームが行われていたことがうかがえます。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081016-00000028-fsi-bus_all
では、「6月末の取引残高は54兆ドル(約5400兆円)に達し、世界のGDP(48兆ドル)や株式時価総額(49兆ドル)を上回る。」とあります。
http://blogs.yahoo.co.jp/toudaimori_yt/35379591.html
では、「社債 6兆2000億ドル、住宅ローン担保証券 7兆6000億ドル、資産担保証券 2兆5000億ドル、合計 16兆ドルとなる。しかし、実際にはCDS合計が55兆ドルに成るそうです。16兆ドルと55兆ドルとの差は、保険と言うより投機だったのでしょうね。」とあり、総額がよくわからないというべきなんでしょうね。
http://ameblo.jp/otsukaresam/entry-10142113410.html
では「このCDS残高が2007年末時点で約6500兆円といわれている。超優良企業も含まれているので全てがリスクと言うわけではないが、一説ではリーマン・ブラザーズで約60兆円以上、AIGで約40兆以上のCDS残高があるとも。」というわけで、いやはや実に大規模な金額が動いていたことになります。
 なぜ、CDS では、こういうふうに話が大きくなるかという点では
http://diary.jp.aol.com/uvsmfn2xc/1140.html
の説明が納得できます。
 ただ、困ったことに、(以下は竹森俊平氏の「資本主義が嫌いですか」の全くの受け売りなのだが)Xという金融機関の保有する100(億円)の債券を保証するために、Aという証券会社がCDS 100(億円)を売ったとしよう。A証券会社はCDSの保険料収入はゲットできるのだが、あまりにリスクを取り過ぎたと考えて、A証券会社は、今度は別の証券会社Bから、その債券について80のCDSを買う。BはCDSを80も売ってしまったので、あまりにリスクを取り過ぎたと考えて、別の証券会社Cから60のCDSを買う。同じように、C証券会社は、D証券会社にから40のCDSを買い、D証券会社はE証券会社から20のCDSを買う。すると、100の債券を保証するために、CDSという保険型の金融商品の名目の発行残高(取引規模)は、合計すると、元本100の三倍である300に達している(100+80+60+40+20=100)。極端な話、もとの債券の元本が1銭も帰って来なかった場合、もし、Eという金融機関がなにかの理由でCDSの契約を履行できずに倒産したら、Dという金融機関も、Cも、Bも、Aも倒産し始めてしまう。

 というようなわけで、CDS が金融危機を引き起こすということの説明でした。
 今や、ネットで検索することで、何でもわかるような時代になっているのですね。ありがたい世の中になったものです。
posted by 乙 at 05:00| Comment(1) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
CDSの仕事をしていましたので、CDSについての報道のいい加減さにほとほと嫌になっていますが、乙川さんのブログは読ませていただいていますので、ちょっとコメントします。
最後の引用もまだ不正確です。基本的な通常の契約による現物決済のCDSでは、参照債務(Xの債券)の引き渡しが実際に行われない限りCDSの決済は発生しません。現金決済の場合もありますから、やや大ざっぱではありますが、CDSの取引金額は売りと買いのネットで考える方が適切です。また通常、CDSのプレーヤーは同じ銘柄について売りと買いのポジションを積み重ねて行きます。CDSは債券ではありませんので違うプレミアムのCDSの売り買いをどんどん増やしますが、証券会社と他の証券会社の間で同じ参照銘柄で取引を増やしてもCSA契約で互いのエクスポージャーはちゃんとネッティングされます。
リーマンのクレジットイベントで、あれだけの取引総額がありながら、特段大きなトラブルにならなかったのは事実上ちゃんと相殺ができたからです。
むろん、モノラインのケースなど投資家がからんでくるとネッティングされないでしょうから、そこではちょうど債券投資と同じような形になりますが、そこで起きているのはCDSの問題ではなく、参照債務がABSCDOなどであったということでしょう。
Posted by fanannan at 2008年11月26日 07:59
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