2008年12月29日

カン・チュンド(2008.8)『日本人が知らなかったETF投資』翔泳社

 乙が読んだ本です。とてもいい本です。オススメです。
 210 ページほどの本ですが、内容がとても良くまとまっています。
 p.iv で、プリウス所有者同士の「集まり」があるという話です。自分と同じ価値観を持つ人同士がどんな人なのか、会って話をしてみたいということです。乙は、この話を読んで、ブログのオフ会の価値はそこにあると思いました。
 p.xi は、まだ本文が始まっていませんが、著者への問い合わせに備えて、連絡先が明示してあります。とても良心的です。著者の意気込みを感じさせます。
 p.82 資産として、金融資産の他に、自分資産と関係資産を挙げています。自分資産は、自分自身が資産であるということで、おもしろい見方です。関係資産は(家族を含む)人脈のことです。なるほど、こういうのも「資産」なのですね。
 p.100 新興国株の割合を先進国株と同じにする話が出てきます。
 この話は、乙のブログに書いたことがある
2007.11.28 http://otsu.seesaa.net/article/69520802.html
のですが、とても興味深い見方です。
 p.113 から、安全資産として円建て MMF を挙げているのもおもしろかったです。普通は個人向け国債などを挙げると思いますが、円建て MMF も似たようなものと思います。
 pp.116-117 で、カンさんの説くような分散投資をしている場合、「今まで、「リスク資産」の損失部分が、年間ベースで 30% を超えたお客様はおられません。」としています。それはそうかもしれませんが、さて、2008 年はどうだったのでしょうか。こんなにもひどい世界同時株安と円高でしたから、リスク資産の損失が 30% で済めばいいほうなのではないかと思うのですが、……。
 ともあれ、ETF 投資に関して、こんなにもわかりやすく書いてある本は見たことがありません。タイトルに偽りなしです。これから投資をはじめる人には、まずこの1冊をオススメしたいと思います。


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posted by 乙 at 05:22| Comment(2) | TrackBack(0) | 投資関連本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは。拙著をお読みいただき、
誠にありがとうございます。

P116-117の、
>「今まで、「リスク資産」の損失部分が、年間ベースで 30% を超えたお客様はおられません。」

の部分ですが、(残念ながら)08年11月時点で
リ・バランスを迎えられたお客様で、
リスク資産部分の損失30%超が発生してしまっています。
(今後も大きく負けないポートフォリオについて、
創意工夫を重ねていきたいと思っています)
このたびは書評をいただき、
本当にありがとうございました。
Posted by カン・チュンド at 2008年12月31日 11:19
カン・チュンド様
 ご本人からコメントをいただけるとは光栄です。
 なるほど、2008 年は例外的に運用成績が思わしくなかったわけですね。
 この本に書いてある内容がまちがっているわけではなく、2008 年後半の株価の下落がきわめて異常事態だったのだということですね。
Posted by at 2009年01月03日 17:20
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