2008.12.26 http://otsu.seesaa.net/article/111720846.html
で知りました。
「新興国に投資するヘッジファンド Thames River 社 Hillside Apex Fund が大暴落しました。7割下落どころか9割以上の下落です。」
すごいファンドがあったものですね。
Yahoo! で検索すると、日本語限定では以下のような記事がヒットします。
http://www.ginzafp.co.jp/service/18-060314-1.html
http://offshoretoushi.com/2008/09/-vol17.html
http://offshoretoushi.com/2008/10/-vol2.html
http://www.greenmoneylife.com/fund_list1.html
英語で検索すると、いろいろと情報が出てきます。
http://www.thamesriver.co.uk/pdf/prospectus/prospectus_hillside.pdf
が目論見書です。
http://www.thamesriver.co.uk/pdf/factsheets/hillside_apex.pdf
にパンフレットがありますが、確かに、この8月までは順調に運用されていたようです。ここでは、11月までの成績が載っていますが、3ヵ月連続のマイナスが続いています。
しばらく待ってみたのですが、この記載は最近、更新されていないようです。
運用が中止されたならば、目論見書やパンフレットを削除するか、少なくとも、「償還され、新規受付をしていない」旨を追記しておくべきだと思うのですが、……。
ネット内には、償還に関連する話は見つかりませんでしたが、もしも、どなたかご存じの方がいらしたら、教えてください。
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新興国の債券にレバレッジをかけて裁定取引をしているファンドなので、新規の申し込みと新規の解約が同じくらいの平常時はポジションはほとんど替えなくて良いでしょうが、解約が殺到した場合はポジションを解消せざるを得ず、その際 プラスの鞘からマイナスの鞘にになり、レバレッジをかけていた分さらに損失が膨らんでしまったと思われます。
残高が50億ドル以上の巨大ファンドだったので、半分が解約されただけでも流動性の危機に陥った新興債券市場ではへたをすると100%資金がなくなっても不思議ではなかったと思われます。10年かけて3倍になったはいいが、たった3ヶ月で10分の1以下では投機としかいえないでしょう。10年前に買った人も3分の1以下になっています。
実体のある株式は暴落してもバリューで買ってくる投資家がいるので損失は限られますが、トレードで売買したり鞘を抜いているヘッジファンドはいくらマネーマネジメントをおこなっていても 想定を超える非常事態では流動性の危機により損失が想定外に大きくなり レバレッジの分だけ破綻しやすいということでしょう。
因みにアイスランドの銀行に預金していた人の中で いまだにお金が戻っていない人もいるようです。FPIのようなオフショアの保険会社の運用口座をもっている方はFAの勧めで高金利のアイスランドやアイルランドの銀行の預金を勧められ サインしてファックスしただけで簡単に買えたようです。アイルランドの銀行はセーフでしたが、アイスランドの銀行は破綻後 国家管理になったにもかかわらず、スムーズに返金されていないようです。保険会社の運用口座を通して預金すると 預金が保険会社という法人名義になっているので、個人名義の預金よりも不利な扱いを受けるそうです。
くわしいご説明をありがとうございました。
なるほど、流動性の問題があったのですね。
他のヘッジファンドも、これと同様の事情があったのでしょうね。
さらにファンドは解約組みと継続組みにわけられて、解約組みのファンドは12月の初旬にばっさりと数日もかけないで現金化されたそうです。普通に市場で売買するなら 時間をかけて少しずつポジションを解消したほうが少しでも現金を多く残せると思われますが、むしろ低い価格水準でいっきに決済したような感じです。
これが可能なのはこのポジションと反対の資金をあらかじめある程度用意して株式でのクロスみたいに処理した場合です。
この非常事態を逆に利用して活躍するヘッジファンドもあるのでそこと組んだ可能性もあります。
今年の1月から7月くらいの横ばいの水準を100とすると12月は10程度で買えた事になり、今後残されたポジションが仮に50に戻っただけでも5倍になることになり400%の利益になります。おそらく数十億ドルの解約に対して反対のポジションで応じたヘッジファンドがあったと思われます。
Thames River社の協力がないともちろんできないので彼らも出資したかもしれません。 なぜなら既存の破綻するかも知れないHillside Apex Fundを買い増すより 無傷の新規のファンドを買うほうが破綻リスクは少ないですから。
既存の顧客はHillside Apex Fundを買い増すチャンスを与えられましたが、Thames River社が存続する可能性を信じて買い増した投資家は少なかったと思います。
もし 新規の購入がクローズされたHillside Apex Fundの実績が 将来再び発表されるなら、2008年10月時点でのyear to dateで約ー30%の基準価格に近付いたころでしょう。
おそらく、あの非常事態でThames River社の破綻におびえながらもファンドを解約しなった継続組みのファンドの基準価格が発表されるでしょうから、解約組みのファンドの2008年マイナス93%という数字は永遠に出てこないかも知れません。
10月と11月に解約した人たちだけが知っている実績データということになります。
信じがたいような話があるんですね。
とはいえ、乙は Thames River 社のファンドを保有しているので、とても心配になりました。
大きく損をした人が投げたところを逆にはいると 大きな利益が得られやすいです。
為替業者、先物業者、証券担保の金融業者などの一部の業者は、客の中で損失をある程度だし、残高が減っているのにポジションを減らさないかまたはポジションをあげている破綻志向のお客をみつけて反対のポジションを自己売買でとります。高値で買い安値で投げるまたはその逆をする 何人もの危ないお客の逆のポジションを取るので利益も安定化できます。
手数料や金利だけでやっている業者がほとんどであることを祈りたいですが。
ヘッジファンドにも人間心理を利用して投げを拾ったりして逆のポジションを取るファンドがあります。
ヘッジファンドはレバレッジを使ったファンドなので何年かに一度大きなドローダウンか破綻がやってきますが、リスキーな顧客たちはこぞって大損を承知で投げてくるので その反対の行動をとれば確実に利益が上がるということになります。
日本の株式も1年に3〜4回大きな下げがくるので、安値を買い戻ったところを売り それだけで年利15%以上の利益をあげるファンドもあります。
Hillside Apex Fundのように 解約を実行する月の初旬にいっきにファンドの投売りを実行して その低い評価水準でのファンドの売りを拾っておき、月末には何食わぬ顔でファンドの評価額をある程度高めに戻しておけば評価額もそんなに低くなくなります。投資対象の債券は投げがなくなり落ち着けば理論価格に近付きますし、新規の顧客を募集して新しいポジションを組み 近付かせれば良いだけですから。
簡単に戻りそうにないならしばらくクローズして戻るまで時間を稼ぐしかないです。
その間のパーフォーマンスはN/Aとするのでしょう。
今回の金融危機は市場不安が大き過ぎますし、アメリカ大統領が対策を出すまでは大衆の市場心理はまだ回復しないでしょう。
Hillside Apex Fundも新規顧客の募集は当分先というところでしょうか。
しかし、プロははやくも買い出動して株価が12月下旬からじわじわとあげ始めています。日経平均は12月中の高値をブレークして上向き三角形の上方ブレークをしてきました。
私のコメントはこれで終わりにしたいと思います。失礼しました。
残りのマイナス3%は早期解約ペナルティの部分かもしれません。
Thames River社のホームページをみるとHillside Apex Fundのhistorical dataは 31-Dec-08の時点で2,160.00 year to dateは−31%となっています。
ちょっと厚かましいかなという感じがしますね。以下がお知らせのメールの内容だそうです。
From: ***** **** Sent: 19 December 2008
Subject: Hillside Apex SPV December 2008 - First Payment
Good Afternoon For your information, the first payment from the Hillside Apex Fund Special Purpose Vehicle (SPV) took place today. Our administrator Northern Trust, has made the following payments to investors within the SPV: Class % of NAV A USD 10.7 B Euro 9.7 C STG 10.6 The difference in % payouts for each share class is due to fx changes since the 5th December (Election date). The EUR/USD rate has moved 11.20% from 5th December to the date of the share redemptions resulting in the variance seen above. Contract notes have been issued to shareholders. We will, of course keep you informed as to the timing of future SPV payments. A number of investors have asked the result of the Hillside Apex Fund election, I am pleased to confirm that the number of investors who decided to stay in the fund was 63.19%, with the remaining 36.81% going into the SPV. Should you have any queries regarding the above information, please do not hesitate to contact your usual Thames River Capital sales person. We would like to take this opportunity in wishing you Seasons Greetings and best wishes for 2009. Kind regards ***** **** Client Services
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Our administrator Northern Trust, has made the following payments to investors の部分がなんか勝手に向こうの言い値で適当に決めている感じがします。
Thames River社のほかのファンドは同じとは限りませんが、くれぐれも気をつけてください。
新規・継続組は12月はマイナス-4.75%でした。
SPVは-60%とは酷い数字ですね。透明性にかけるという点はこの投資会社でだけではなくヘッジファンドの象徴かと思います。
こちらのブログも人気があるかと思いますので乙様の信用にもかかわるので申し上げたまでです。
いうまでもなく、ブログのすべての記載について、全部裏付けを取っているわけではありません。
乙が直接経験したことはそのまま書きますが、他の方から聞いた場合は、その旨を示しています。したがって、「乙の信用に関わる」という心配は無用かと思います。
乙のブログに寄せられるコメントがすべて正しいということではありません。それぞれのコメントはそれぞれのコメントの投稿者の考えを反映しています。乙は、コメントの内容が乙の書いた記事に関連している場合は、原則として承認するようにしています。
昨年の9月のリーマンショック以降に解約した人の返金はその後どうなったかをお知らせします。
返却は最初購入した金額の8%くらいずつ均等に毎月支払われているようです。3回目の振込みが先日あったようです。今後どれくらいの期間支払われるのかは不明です。
したがって運用実績はマイナス90%ではなかったので修正させていただきます。
Thames Rivers社の英語の説明が簡潔すぎたのと当方の英語力の不足で説明が十分理解できていませんでした。勘違いさせた方には心よりお詫び申し上げます。
リーマンショックのあった9月に解約した人は11月には返金されるはずでしたが、向こうの都合で変わってしまい1月下旬から支払います。
因みにマン社のMan Arbitrage Strategies Ltdは、9月に解約した人には契約どうりに4ヵ月後に全額一括で支払われたようです。
乙様には大変申し訳ないことをしてしまいました。コメントの削除などよろしくお願いします。本当にすみませんでした。
再度のコメント、ありがとうございました。
以前のコメントを削除するべきかどうか、迷いますが、コメントがあり、後に取り消されたのは事実ですから、(歴史的な記録として)このままにしておこうかと思います。
一連の記事+コメントを読む方は、誤解しないものと思いますし。
見せケチにする手はあるかと思いますが。
具体的に、「こう変更したい」とか「このコメントのここの部分を削除したい」ということがあれば、乙にご連絡ください。メールでもけっこうです。