2009年03月08日

ETF転換権付き株式取得機構債

 変な金融商品が経団連から提案されています。「ETF転換権付き株式取得機構債」というものです。
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-36845320090306
 これに対して、ゆうきさんは全面的に否定しています。
http://fund.jugem.jp/?eid=1003
 renny さんも同意見だそうです。
http://renny.jugem.jp/?eid=890
 他にもこの件に触れているブログ記事がいくつかあります。
http://401k.sblo.jp/article/27410364.html
http://nightwalker.cocolog-nifty.com/money/2009/03/post-30ac.html
http://ch01173.kitaguni.tv/e879965.html
http://max999.cocolog-nifty.com/blog/2009/03/post-bbfa.html
 確かに、変な提案ではありますが、しかし、こういうものすごくお得な金融商品が出るなら、個人投資家としては、文句を付けるよりも、全力で買ったほうがいいのではないでしょうか。
 乙の意見はモンチさん
http://m0nch1.blog.shinobi.jp/Entry/564/
と同じです。
 詳細がどうなるか、わからない段階なので、あまり単純に判断するのもおかしいのですが、ロイターの記事にあるようなことならば、無リスクで日本株に投資できることになり、画期的な金融商品になります。
 しかし、こんな商品が実現可能でしょうか。
 ロイターの記事では、「機構は、ETF転換権付き債を発行するため、ETFをあらかじめ買い付ける。」としています。つまり ETF 運用が基本ということです。だとしたら、ETF の価格が暴落した場合、その損失を誰が(どこが)かぶるのでしょうか。考えてみれば、それは株式取得機構
http://www.bspc.jp/
です。銀行等保有株式取得機構の債券といえば、政府が保証しているわけで、つまり、債券が大きく毀損してしまった場合、結果的には国民の税金で穴埋めすることになるわけです。
 いやはや、これはすごい話です。巡り巡って、我々の税金が担保になっているわけですね。誤解を恐れずにいえば、いざとなったら、日本国民の金を投資家に移動させましょうというような話です。投資家としてはうれしい話だけれど、納税者としてはうれしくない話です。
 オプションを利用してこんな金融商品を生み出すという考え方もあり得ますが、購入した側にこんな有利なものを作るとなると、オプションを反対売買する側は必ず損をするようなことになりそうで、そもそも金融商品として成り立つのかどうか、大いに疑問です。
 この話が実現すれば、今後の日本株の投資先としては、ETF転換権付き株式取得機構債で決まりです。
 でも、資金が何兆円も、もしかして何十兆円も、ETF転換権付き株式取得機構債に流れることになったら、日本市場はどうなるのでしょうか。株価暴騰でしょうか。そういうとき、果たしてこの債券をうまく売ることができるでしょうか。たいていの人はそういうバブルには乗れずに、大けがをしそうです。売るときになって売れないような事態になるとか、別のトラブルになりそうに思います。

 他の日本株のファンドは資金の大量流失ですべて早期償還になるでしょう。だって、こんな有利な商品ならば、資金のシフトは当然であり、ファンドとしてまったく売れなくなるのですから。

2009.3.14 追記
 この話の続きを
http://otsu.seesaa.net/article/115597811.html
に書きました。
 よろしければご参照ください。

posted by 乙 at 05:31| Comment(0) | TrackBack(0) | その他の投資 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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