なぜならば、金利が高い外国通貨が安くなって、円が相対的に高くなるからです。
2008.8.31 http://otsu.seesaa.net/article/105762250.html
2008.8.30 http://otsu.seesaa.net/article/105715608.html
2008.8.29 http://otsu.seesaa.net/article/105661673.html
しかし、乙が外貨投資をはじめようとしたとき、このことが十分に理解できず、そんなに大幅に為替レートが変わるとも思えず、高金利の外貨建ての債券に投資すれば、それなりにもうかるような気がしました。
そこで、ニュージーランド・ドル建て(1年もの)と、南アフリカ・ランド建て(5年もの)の外国債券を購入してみました。
2006.1.29 http://otsu.seesaa.net/article/12436140.html
その後、ニュージーランド・ドル建債券は、最終的に損失が確定しました。
2006.3.25 http://otsu.seesaa.net/article/15412720.html
では、南アフリカ・ランド建て債券はどうなのでしょうか。
現在のところ、為替レートは、1ランドが11円くらいです。乙が債券を購入した 2005 年4月には、18円でした。なるほど、為替レートは4割安になっています。これでは、7.38% の高金利を誇っていても、全然もうかりません。
償還まではあと1年ほどありますが、こちらも損失が出そうな情勢です。
なるほど、高金利の外国債券に投資しても意味はないということを実感しました。いい勉強になりました。
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いつも勉強させていただいております。以前に一度コメントさせていただいたGananと申します。
高金利の外国債券に投資しても意味がないとのことですが、南アフリカ・ランドとニュージランドドル債権への投資がダメなのは、金融危機の影響だからだと思いますが。1年間、5年間投資して損をしたからこの金融商品がダメだという理屈なら、ほとんどの株への投資も意味がないということになってしまいます。10年以上の長期なら南アフリカとニュージランドの債券投資はかなりの利益を上げることができると思います。
もっとも、南アフリカ・ランド債の7.38%の金利は低すぎると思います。インフレ率よりも低い金利だからあまり良い商品とは思いません。それならFX業者の外為ドットこむで南アフリカ・ランドを買った方がよほど良い投資だと思います。両替手数料は安いし、私が計算したところ、利下げをした最近1年間でも年利(スワップ合計)は10%を超えています。その上、損切りする必要もなく、市場が回復するまで持ち続けることができます。
今回の金融危機の影響がどれくらいあるかは難しい問題です。
乙は、五年間投資してダメだからという理由で南アフリカ・ランド債をダメだとしているわけではありません。
金利と為替レートの変動の関係を考慮して、ダメだといっています。
それが、ここ数年の流れでも見られるというわけです。
FXについては、またそれとは別問題です。FXでランドを買って長期に保有したからといってもうかるわけではないと考えています。
こんにちは。
間違えばあればご指摘下さい。
・短期金利はインフレ率と実質金利で構成されているため、高金利通貨は低金利通貨に比べてインフレが高い水準にある。なので購買力平価が徐々に下がってゆくため、理論上は高金利での収入は通貨値下がりの損失により相殺される。
→高金利通貨の特徴として、「じわじわ上昇していき、ある時に急落する」というサイクルがあると思います。
私自身の経験としては、02年に豪ドル建て債券(4年ものと5年もの)を購入し、たまたま豪ドル高円安のタイミングで途中売却しましたが、今ではTIPをほんの少し購入してる程度です。
その国の株式を購入(為替ヘッジなし)=その国の通貨を購入している。
という捉え方をしてます。
チャールズ・D・エリス氏著書の「ポートフォリオの中で債券の居場所はない」という考えに賛同したスタンスでいます。
コメント、ありがとうございます。
「→高金利通貨の特徴として、「じわじわ上昇していき、ある時に急落する」というサイクルがあると思います。」は、恵(KEI)さんのお考えでしょうが、私は、そうは思いません。具体的な短期的な上下は予想できないですが、長期的には下がっていくと思います。
「その国の株式を購入(為替ヘッジなし)=その国の通貨を購入している。
という捉え方をしてます。」という点については、賛成です。
2007.2.23 http://otsu.seesaa.net/article/34452967.html
チャールズ・エリス(2003.12)『敗者のゲーム(新版)』日本経済新聞社 によれば、p.184 に「債券に投資してはいけない」とありますね。
乙は、ここのところは迷っています。
要は、債権の場合は短期ではなく5年10年という長期の時間軸でみないとだめなのではないでしょうか。その意味で最近のランド債はあまり食指がわきません。エマージング債の場合は資源国であることと、ゼロクーポンで複利効果を教授できる物しか買ってはいけないと思います。
幸い私が持っているのはゼロクーポン債で@3で買ったのが@50位になっているので為替に対抗できているのですが、、、最近は利金を外に出すタイプが殆どで食指がわきません。
コメント、ありがとうございます。
なるほど、15年や30年保有していれば、少しは違った見方ができるかもしれませんね。
普通の投資家は、「経験を積む」ことがむずかしいので、そのとき(限り)の判断をしなければならないように思います。
ここがむずかしいのですね。
自分の経験がないことを、さまざまな情報を活かして判断しなければならないというわけです。
15年かけて経験できても、それをあと15年継続できる人は少ないと思います。(若い人ならば可能でしょうか?)
投資の問題は、なかなか奥が深いもののようです。
乙川様
はじめまして
10年前に100円をランド債を購入したとして、利回り10%(複利)であれば為替が一定と考えると現在259円程度かと思います。 為替が23円→11円だとすると、124円弱になり、利回りでは1.2%強ですから、日本国債より若干高い程度で、信用リスクの差などを考慮すると大差ないことになります。
やはり高金利通貨は長期的に為替が切り下がるために高金利部分は為替差損で相殺されると考えて良いような気がします。
>びんべえさん、
長期で見れば見るほど購買力平価の考え方が当てはまるのではないでしょうか。
ランド円など昔は1ランド=300円というような時代もあったわけで、今やその1/30程度になっています。
近年の1990年以降でも55円から下落しています。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:JPY-ZAR_v2.svg
このように高金利分はきっちりと為替損で相殺されています。(逆に為替損分は高金利で相殺されているとも言えそう)
為替が戻るまでと言われても、もう1ランド=300円どころか1ランド=55円にさえ戻りそうにありません。
仮に99年に1ランド=55円の時に年利10%でランド債を買って、為替手数料等の他手数料なし+20年間"複利"で運用したとしても、今は1ランド=11円ですので74円です。日本円で年利1.5%で運用したのと変わりません。
ですから、単純なリターンについて長期で見ればランド債≒円債でしょう。
ランド円は400円強でした。
NZ/JPYが400円近く。
http://moneyzine.jp/static/images/article/16596/01.gif
結局、異国の通貨を安い時期に買う。とっておくこの時期が分かるかどうかなんでしょうね。