日経新聞4月15日朝刊17面の大機小機欄のコラムで「日本国は破産しない」というのがありました。
あちこちのブログに記事が転載されているので、中身はそこで読めます。
たとえば、
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-10242847514.html
http://silssee.blog119.fc2.com/blog-entry-510.html
などはいかがでしょう。
さて、問題は、このコラムをどう読むべきかということです。「国の公債が多いということは、国民が公債を買い、その金融資産が増えるということである。だから国は破産しない。」というシンプルな論理です。
実際、日本国民が日本国債を買っており、外国人が買っているわけではありませんので、この点は正しいのですが、その事実と「だから国は破産しない」は論理が飛躍しています。
もっとも「国の破産」とは何か、どういう状態のことを指すのかがはっきりしないと、議論はできません。
一般には、国債の償還期限が来たときに、(国庫に現金がないので)現金を渡すことができないことを「破産」というように思いますが、この点では、国は貨幣を発行する権限がありますから、一般論としては「破産」はないものと思います。
しかし、破産と実質的に同じ状況は起こりうると思います。国債の発行残高がもっともっと大きくなって、1000 兆円を越え、2000 兆円になったら(なりそうになったら)、どうでしょうか。国内で保有される金融資産の全体が 1500 兆円しかない場合に、2000 兆円の国債が消化できるのでしょうか。
それでも消化できるという考え方はありますが、乙は消化できないように思います。
つまり、今国債をどんどん発行するということは、そのような消化できない状態に急速に近づきつつあるということです。数十兆円規模の国債新規発行(借換債を含まず)ならば、10〜20年は持ちそうですが、その先は、何とかしないと、発行できなくなると思います。
各種ブログを見てみると、日経と同じく、破産はない(だから国債をもっと発行せよ)とする意見もあります。
http://ifajapan.jugem.jp/?eid=134
http://silssee.blog119.fc2.com/blog-entry-510.html
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-10242847514.html
http://nezu621.blog7.fc2.com/blog-entry-471.html
http://blogs.yahoo.co.jp/eishintradejp/15119165.html
しかし、そうではないとする意見もあります。
http://wanderer.exblog.jp/8179848/
http://hongokucho.exblog.jp/10735339/
後者の意見の方が少ないようですが、乙は、どちらかというと、後者の意見に近いです。
2009.5.3 追記
この話の続きを
http://otsu.seesaa.net/article/118371423.html
に書きました。
よろしければご参照ください。
2009年04月20日
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乙も、この本に注目しています。
近いうちに読みたいものです。
お気づきでしょうが、私のはドがつく素人記事なので・・・お恥ずかしい限りです。
三橋・廣宮各氏の受け売りですので(笑)
ぜひお二人の本を読んでみてください^^;
「米国で最も注目されているヘッジファンド、グリーンライト・キャピタルの創業者ディビッド・アイホーン氏は、日本の長期金利が急騰すると利益の出るオプション取引(CDS)を大量に買ったことをあきらかにした。
日本の長期金利が急騰すれば、日本は、すぐに破綻してしまう。したがって、日本はいつ、破綻してもおかしくない状況におかれている。
格下げなどで、相場が急変することのヘッジですので、必ずしも日本の財政破綻を見越したわけでは有りません