2009.4.20 http://otsu.seesaa.net/article/117790425.html
の続きの話です。
日本が抱える膨大な国債の後始末をどうするかという問題については、多くの人が気にしています。国債がデフォルトするとか、国家破綻だとかと騒ぐ人もいます。
乙は、単なる一個人ですから、この大きな問題に対する回答を持っているわけではありません。
しかし、どうなるかを予想して、自分の資産を守るために行動しなければなりません。
財務省のホームページからたどると、2008年12月現在の国債及び借入金並びに政府保証債務現在高
http://www.mof.go.jp/gbb/2012.htm
が見られます。コンマが多くて、数字を読み取るのが大変ですが、三者を合わせて 846 兆円あまりということがわかります。
しかも問題は、国債発行残高が毎年増え続けていることです。
http://www.mof.go.jp/jouhou/kokusai/saimukanri/2006/saimu02b_04.pdf
地方財政だって、同様です。
http://www.soumu.go.jp/iken/zaisei/pdf/zandaka_070518_2.pdf
今後、毎年の税金でこれを返済することを考えたら、まず不可能なように思えます。
国債は後世への負担のつけ回しだという批判があります。先に借金をして使ってしまい、後世の人がそれを返済することになっています。果たして返済しきれるかどうかが問題です。永遠に先延ばしはできないはずですが、もしかすると、かなりの程度できるのかもしれません。
これから日本がどうなるかを予想したとき、いくつかの道が考えられます。
一番いいのは、日本経済が成長して、税収が劇的に改善して、過去の国債をどんどん償却していくことですが、さて、どうでしょうか。今の政治家(および官僚)の発想では、まったく期待できそうにありません。一方、日本が少子高齢化することは確実ですから、どうも日本経済が大きく成長するということになりそうにありません。
税収が改善しなければ、いつかは国債が償還できなくなります。借り換え国債で対応するのは問題の先延ばしに過ぎません。しかし、かなりの期間に渡って、これを行うことはあり得ます。
国債を償還するときに、紙幣をジャンジャン印刷して国債の償還に当てるという考え方もあります。たぶん、これが(ウソをつかない)現実的な方法でしょう。しかし、こうすることで通貨の価値を低下させ、インフレを呼び込むと思われます。
もしかすると、いよいよ財政が行き詰まったとき(あるいはその少し前に)、乙の勝手な予想では、政府が意図的にインフレ政策を採る可能性もあります。意図しなくても、勝手にインフレになる可能性もあります。財政が危ない状態では、貨幣に対する信任が揺らぐからです。
どのくらいのインフレを想定するかで話は変わってきますが、かなりの激しいインフレ(ハイパーインフレ)になる可能性もあります。そうすることで、過去の借金(の大部分)をチャラにするのです。全部チャラになるわけではないけれども、これで国の財政は大きく変わります。
インフレになると、通貨の価値は下がりますから、為替は円安に振れます。しかし、物価が上がっても、人々の給料が上がることはないでしょう。(年功序列や終身雇用を前提とした)中高年層の相対的に割高な給料を是正するためにも、インフレは絶好のチャンスです。中高年層は相対的に給料を減らし、若年層は給料が増えるでしょう。こうして、今よりも年齢格差は少なくなるでしょう。
一方では、円安で輸入品の価格が大きく上昇しますから、給料が上がらない以上、国民の生活は、非常に苦しくなります。
年金は、インフレ時には物価スライドとか言っていますが、そんなことは不可能であり、ない袖は振れませんから、支給額が大きく減額する(インフレほどには上がらない)のではないかと思います。
こういう事態に対処する方策はいくつかありますが、基本は外貨資産を持つことでしょう。日本円を持っているだけでは、どうしようもありません。インフレを乗り切る方策としては、株式投資が有力ですが、それがうまくいく保証はありません。むしろ、経済的混乱から株価が大きく下がる可能性もあると思います。不動産投資などの現物投資も考えられます。
いつころにインフレがやってくるかということに関しては、何ともいえません。一部の国家破綻論者が主張するように、数年先に日本が破綻するということはないと思います。やはり、20年〜30年単位の時間がかかるのではないでしょうか。
というわけで、乙は、数十年程度のうちには、かなりのインフレおよびそれにともなう経済的大混乱があるのではないかと予想しています。いつやってくるかわからないので、今から資産の一部は外貨にしておくのがよいと考えています。
「国債を刷れ!」はいずれ取り上げるつもりです。
乙は(3)通貨供給過剰が原因になるだろうと考えています。国債の大量発行は、その先鞭でしょう。
また「国民が政府の負債を税金で払ってやる義務はありません。」については、そう考えていません。ある程度の負債があることは正常なことだと思いますが、現在の政府の負債は大きすぎると思いますし、今後、さらに膨らむことが予想されるので、何とかしなければならないと考えています。
政府の負債=国民の資産という考え方もわかりますが、税金で作ったものが本当に国民の役に立っているかと言えば、必ずしもそうではないと思います。道路が典型ですが、港湾施設、空港など、本来は国民が有効に利用できるようになっていなければならないはずですが、現状はそうなっていない例がたくさんあります。
自分では、こういう日本のあり方を変えなければならないとは思っているのですが、自分でできることと言えば、選挙時に投票に行くことくらいですからねえ。
それにインフレになって、手持ちの国債もクズになるから、将来世代が負担することには変わりないでしょ。
http://diamond.jp/series/noguchi_economy/10002/?page=2
上記は野口悠紀雄による考察ですが、野口先生が考慮していない点として日銀の利益は国庫に戻りますので、実質的に政府紙幣と効果は変わりません。
物価が上昇しても年金額はそれほど上がらないようになっています。
ようするに、インフレは想定済みなのでしょうか
http://allabout.co.jp/finance/nenkin/closeup/CU20031210/index2.htm