題名の意味がわかりにくいですが、中高年層は人口が多く、給料が高いので、給料の1%を下げるだけで、多数の若者を雇ったりして、大部分の人が結果的に幸せになるという趣旨です。単純にいえば、賃下げが幸せをもたらすのです。このように、本書は日本の雇用問題を論じたものです。
p.67 では、自分の給料を下げてまでも、職を求めようとすると、労働組合が横並び至上主義なので、そういうことを認めないとしています。つまり、ディスカウントはできず、結果的にある程度の年齢以上では転職ができないということになります。今の日本の年功序列主義の問題点を指摘しています。
p.80 から、21世紀型エリートが描かれます。ビジョンを持っている人ということです。
p.84 では、今の会社の正社員採用方針を述べています。幹部候補たりえる人材だけだということで、あとはアウトソーシングや非正規雇用で代替するわけです。まさに日本の現状がこうなっています。
第3章「年功序列は日本社会も蝕む」では、年功序列の問題点をこれでもかという感じで記述しています。そして、年功序列を打破する方向へ舵を切るべきだとしています。
第4章「雇用再生へのシナリオ」で、将来の日本のあり方を論じます。
おわりに p.197 では、日本型雇用はあと5年で完全に崩壊すると予想しています。この点に関しては、まさかたった5年で日本に大変化が起こるとは思えません。乙は、日本人がぬるま湯に浸りながら、国としてだんだん衰えていくのではないかと予想します。
まあ予想はともかく、読んでいて痛快な感じのする本でした。提言も興味深いものがあります。ただし、それが実現するかと考えれば、乙としては否定的に思うということです。根拠は、あまりありませんが、社会の変化はそんなに急激には起こらない(保守的な傾向が継続する)だろうということです。
参考記事:
http://blog.livedoor.jp/kazu_fujisawa/archives/51509393.html
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