どんな脱税があるのか、事細かに網羅的に書いてある本です。しかし、すべて摘発されたものが基になっています。まだ摘発されていない脱税もあるのでしょうが、これだけさまざまな例が挙がっていると、だいたい手口は網羅されているように思えてきます。
個人投資家としては、p.152- の「個人向けの脱税方法」が一番おもしろいと思います。相続税、贈与税、源泉徴収税、などなど、身近な話題について触れられています。
また、p.162 から『無税入門』
2008.5.3 http://otsu.seesaa.net/article/95470875.html
の話が取り上げられているのも興味深かったです。なかなか個人では実現しにくいスキームであることが述べられ、さらに、たとえ37年間無税だったとしても、税務署がそれを認めたということではなく、たまたま税務署が摘発しなかっただけかもしれないとしています。
税金をめぐる国税庁などの考え方を知る上では意味のある1冊といえるでしょう。
それにしても、こんなタイトルをつけるのはいかがなものでしょうか。乙のように、勘違いして読み始める人がたくさんいそうです。まあ、それが出版社のねらいなのでしょうが、……。
参考記事:
http://fund.jugem.jp/?eid=999
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