本書は、二つの部分に分かれています。第1部が「ポートフォリオ選択理論」で、どんなポートフォリオにするといいかというようなことを扱います。第2部が「派生資産の価格理論」で、オプションの価格をどのようにして決めるかというようなことを扱います。
乙は、「金融工学」とは何か、よく知らなかったので、勉強してみようというつもりで読みました。
しかし、本書を一読して、やっぱり金融工学はわからないと感じました。
本書中に出てくる話は、それなりに理解できるつもりです。問題は、その上で、金融工学とは何か、なぜ本書で解説されるよう内容が「金融工学」と呼ばれるのかがわからないというところです。
むしろ、「はじめに」の中にその回答が書いてありました。p.vi ですが、金融工学とは「経済・社会的問題に取り組むための技術」とのことです。「技術」を「工学的アプローチ」に言い換えてもいいと思います。
つまり、理論を追求するよりも、理論を現実の経済・社会にあてはめて、いくつかの問題を解明しようとしたととらえるといいでしょう。したがって、本書の各章が扱うような問題を扱うのが「金融工学」なのだと考えればいいように思います。
というわけで、本書は全体として「現代ファイナンス経済学の解説書」(「はじめに」の1行目)ととらえるほうがいいように思います。数式が出てきて、ちょっとむずかしい感じのところもありますが、何がいいたいのか、ざっととらえるような読み方をすれば、そんなにむずかしくはないように思います。各章の最後に「まとめ」があって、頭の中が整理されるようになっています。
参考までに、乙が今までに読んできた「金融工学」を標題に含む本を挙げておきます。
吉本佳生(2000.4)『金融工学 マネーゲームの魔術』(講談社+α新書)講談社
2007.12.31 http://otsu.seesaa.net/article/75410576.html
吉本佳生(1999.9)『金融工学の悪魔』日本評論社
2007.12.22 http://otsu.seesaa.net/article/74013494.html
真壁昭夫(2005.4)『はじめての金融工学』(講談社現代新書)講談社
2007.12.3 http://otsu.seesaa.net/article/70624375.html
野口悠紀雄(2000.9)『金融工学、こんなに面白い』(文春新書)文藝春秋社
2007.11.27 http://otsu.seesaa.net/article/69519485.html
これらの本を読んで、金融工学について知りたいと思い、1年半ほど前に買ったのですが、少しずつ読み進めたところ、特におもしろいところもないように感じました。(読むのにあまりに長時間かかったので、読み終わるころには初めのほうの内容を忘れていました。)
「おもしろいところがない」などというと、著者に失礼な気がします。
しかし、この場はブログであって、書いているものも書評ではありませんから、客観的な目を持たずに、主観的にとらえて感想を述べてもいいだろうと思います。
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