毎月決算型は、分配のたびに2割の税金を取られ、残りの8割を再投資に回すことを考えると、投資家にとってはよろしくないことです。分配しなければ税金を取られないのですから、年1回決算型のほうが利回りがよくなるはずです。
そのような問題があることはわかっていても、乙も若干の資金をグロソブに投じています。
で、実際はどうか。
基準価額が1万円でスタートして、現在8000円程度ですから、当初から投資している人はマイナスになっているという考え方もありますが、コンスタントに分配金を出しているので、それを合算して考えれば、マイナスではないとも言えます。基準価額は、計算の都合上の金額であって、あまり意味を持たないと考えてもいいでしょう。
乙がグロソブに投資を始めたのは2004年10月のことなので、1年以上経ちました。今は、当初の購入金額の 1.077 倍になりました。だいたい 6% の利回りと考えていいでしょう。グロソブは、約8000円の基準価額で、毎月40円の分配金を出しているわけで、この合計が1年で480円になりますから、480/8000=0.06 ということになります。乙の体験は計算上でも納得できます。
このままの状態がずっと続けば、6% の運用が継続するわけで、これはかなりおいしいと思います。純資産総額がどんどん増大しているのは、新しく参入している人がどんどん増えているというわけで、それもさもありなんと思います。
預貯金の低金利に嫌気がさしている人にとっては、6%の運用というのはとてもありがたいことです。
しかし、この状態がずっと続くかどうかは何ともいえません。考えられる不幸な状態は、世界の金利の上昇が起こって、債券価格が値下がりすることです。こうなれば、現在 8000 円の基準価額がどんどん下がることになります。分配金を出すこともできなくなるでしょう。分配金を出すことは、自分の資産を取り崩しているに過ぎません。
では、そうなる可能性はどれくらいあるでしょうか。ここで、グロソブが世界中の債券に分散投資しているということに注目するべきです。アメリカが29%と多く、イタリア、スペイン、ベルギーなどのユーロ建てのものも合計すれば34%を占めます。イギリスやらカナダやら、とにかく投資先は先進国に広く分散していますから、それらの国々の金利が一斉に上昇するなどということは、めったなことでは起こりそうもありません。つまり、分散投資の効果で6%の運用が大幅に下がってしまう可能性は低いと考えます。
手数料は、信託報酬 1.3125%、信託資産留保額 0.5% ですから、債券に投資する上ではやや高いような気もします。申込手数料は、どこで買うかによって変わってくるはずで、乙は新生銀行で買いましたが、1.575% でした。まあそんなものでしょう。
実際に購入した後は、毎月、決算報告を送ってきます。当然といえば当然ですが、しかし、これらの印刷物の作成費用と郵送料を考えると、3ヶ月に1回とか半年に1回にまとめたほうがいいのではないかと思います。その分、分配金に廻せば投資家はみんな喜ぶのではないでしょうか。
こうして1万円から投資できる投資信託で、いろいろ手数料が引かれても6%のリターンがあるということでは、かなりおすすめの投資信託だと言えます。お化けファンドになる理由は確かにあります。
2006.8.17 追記
この後の乙の考え方と経緯について
http://otsu.seesaa.net/article/22441509.html
に書きました。
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