http://member.diamond.jp/series/noguchi_economy/10031/
最近の雇用者数の変化を見ると、08年4〜6月期に比べて、雇用者総数が104万人減少して、1年前の98.1%の水準になった。その内訳は、正規雇用者が63万人の減で98.2%、非正規雇用者が33万人の減で98.1%だ。非正規雇用者の減少率がやや高いとはいえ、正規雇用者の減少率との差はさほど大きくはない。つまり、一般に考えられているように非正規雇用者に偏るかたちで雇用整理が行なわれているわけではなく、正規雇用者もほぼ同じ比率で整理されていると言うことができる。
乙は、まずは非正規雇用者がクビを切られ(いわゆる派遣切りなど)、それでもさらに人件費削減が避けられない場合に、正規雇用者のクビが切られるものだと思っていましたので、野口氏の指摘には驚きました。
では、企業はなぜ正規雇用者のクビを切っているのでしょうか。野口氏の意見では、「社会保険料負担の雇用主負担」だということです。非正規雇用者は、企業にしてみれば社会保険料の負担が低いので、最近急増しているというわけです。
もし、これが正しいとすると、非正規雇用は、これからも基本的には増えていくということになります。そして、日本経済が回復すれば、働き手が必要になりますが、それは正規雇用者でまかなわれるわけではないということになります。
このような傾向があるとすれば、次なる問題は年金制度になると思われます。非正規雇用者は年金制度の枠外ですから、年金の支え手は、予想以上に少なくなるわけで、今までの設計では年金が持たないということになりそうです。
ワーキングプア問題もさらに深刻化するでしょう。
いずれも、日本社会の変化が引き起こす大問題です。
コメントありがとうございます。
なるほど、そういう解釈も可能ですね。
統計と、その実際的意味のずれということですね。