2009年09月16日

山岡道男・淺野忠克(2008.10)『アメリカの高校生が読んでいる資産運用の教科書』アスペクト

 乙が読んだ本です。
 「アメリカの高校生が読んでいる」ということから、どのようなことが書かれているのか、興味を持ちました。
 結果的には、乙にとって読む必要はほとんどありませんでした。内容がやさしすぎたのです。
 目次は以下の通りです。
第1章 「お金を稼ぐ」かしこい方法 収入の巻
第2章 「お金を貯める」かしこい方法 資産運用の巻
第3章 「お金を借りる」かしこい方法 ローン&クレジットの巻
第4章 「お金を増やす」かしこい方法 投資の巻
第5章 「お金を守る」かしこい方法 リスクマネジメントの巻
 個人の立場から、それぞれ正しい考え方が書いてありますが、どうも全体に突っ込み不足な感じでした。まあ高校生むけの本をいい大人が読むことの違和感なのかもしれません。
 おもしろかったのは、p.130 からのライフプランのところです。「日本のほとんどの一般家庭は、計算上では、少なくとも2回は破産の危機に見舞われる時期があります。その2回とは、住宅購入と子どもの教育費です。」と書いてあります。そういえば、確かに、乙の経験でもこの2回は大変な時期でした。
 乙が知らなかった話としては、p.147 にアメリカの個人の信用の4ランクが出てきます。上から順に、プライム、ニアプライム、ノンプライム、サブプライムです。サブプライムの定義は「クレジット情報に問題がある。また、職業が安定せず、賃貸住宅に住み、住所を転々とする。」です。サブプライム・ローンというのは、ずいぶんと信用度の低い人に金を貸す仕組みだったことがよくわかります。
 本書中には、一つ誤記がありました。p.193 ですが、グロソブのことを「グローバル・ソブリン・ファンド」と書いています。ただし、p.196 では「グローバル・ソブリンオープン」と書いていますので、著者が間違って覚えているわけではなさそうです。(「グローバル・ソブリン・オープン」が完全な表記ですが。)
 日本の高校生でも、本書程度の常識は身につけてもらいたいものだと思いました。早めに知っておいて悪い話ではありません。若者の中でクレジットカードの使い方を間違えたりする(リボ払いなどという高金利を平気で払う判断をする)人が多いことを見ていると、高校生くらいから金融の仕組みの一部を知っていれば、大人になってからも間違った判断をすることが減るだろうと思いました。
 もっとも、学校のカリキュラムの一部に組み込まれていないと、高校生はこういう知識を身につけないでしょうし、カリキュラム編成の変更はそれはそれはむずかしいでしょうが。

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posted by 乙 at 05:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 投資関連本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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