本書をひとことでいえば、ETF の総合解説書です。今まで、こんな詳しい解説書は見たことがありません。
ただし、日本で購入できないものも多数含まれているので、海外で口座を開き、そこで購入するしかないような場合も多いと思います。本書中には、そのような海外口座の開設法も説明されています。
こういう多彩な投資手段がある世界(日本の国外)を見ると、日本国内で限られた投資手段しか提供されない現状が実に嘆かわしく感じられてしまいます。
p.60 からは景気循環型ということで、セクターローテーションを取り入れている ETF の紹介があります。乙はこんなアクティブ・ファンドみたいな ETF があるとは知りませんでした。
他にも、ファンド・オブ・ファンズ型の ETF やら、CDS に連動する ETF やら、VIX に連動する ETF まで解説されています。
今後もさまざまなタイプの ETF が登場してくると考えられます。純粋にインデックス投資を行う場合には、現状でも十分かもしれませんが、少しは投資を楽しみたい人にはこういう選択肢も考えておいていいのではないでしょうか。
世界に対する目を開かせてくれる1冊だと思います。
もっとも、本書で紹介されている ETF を実際に買うかどうかは別問題で、悩ましい問題であることは事実ですが。
自分自身で投資を実践してきた人らしく、具体的な記述にあふれる本です。その辺の投資本とは一線を画します。
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海外のETFはいろいろな種類があって本当に驚かされます。そして日本と違いそれがちゃんと流通しているのがうらやましいですね。
確かに、日本の ETF 市場を見てみると、ずいぶんゆがんでいるように見えます。
まあ、そのようなグローバルな視点が持てるようになるのは、海外に目を向ける(海外で投資する)からなんですが。
この本はすごい詳しいですよね。
本書で浅川氏がヘッジファンドは換金性に難ありというコメントがありましたが、私も保有していた経験から同意です。
しかし、一昨年?昨年?くらいあたりから海外金融機関が次々と新しいETFを発売してるのを見ると、(購入するか否かはまた別問題ですが)
日本で運用することの馬鹿馬鹿しさを感じてます。
海外運用によるデメリットよりメリットが上回ってるのかなと感じてます。
日本で運用することもばかばかしいとは思いません。外国語が使えないと、国内で投資するしかありませんし、日本株などの投資手段は日本国内がベストだと思うからです。
しかし、海外への投資の手段を考えると、海外での運用は国内とは別世界ですね。
それが結果的にうまくいけばめでたしめでたしなのですが、さて、どうなんでしょう。
おっしゃる通り、通常、自国への投資、例えばTOPIXや日経225などは日本国内で行った方が合理的ですよね。
かなり偏ったコメントしてしまいました((+_+))
「上手くいくかどうか」は、うーんこればっかりは分からないですよねぇ(*_*)
上手くいきたいと希望を持ってやってはいますが(*^_^*)