2006年02月20日

浅井隆氏の国家破綻本と海外ファンド

 浅井隆氏などの国家破綻本では、なぜ海外ファンドをすすめるのでしょうか。
 ハイパーインフレが日本を襲ったら、円の価値が下がって、もうどうしようもなくなるから、外貨で運用するしかないという理屈はわかりますが、外貨の運用方法にもいろいろあります。
 日本にしがみつく気なら、外国為替証拠金取引(FX)などというものもあります。簡単にいえば、レバレッジを効かして円を外貨に両替して保持することができます。レバレッジ20倍ならば(そしてこれはFXではごく普通のケースですが)5万円で1万ドル(100万円相当)を買ったことに等しい効果がありますから、暴落とも言える極端な円安が起きれば、FXでそれこそ大儲けできると思います。ただし、同時にハイパーインフレが起これば、円を持っていたら影響を逃れるすべはないので、FXは無効になってしまうわけですが、それでも、現金や預貯金よりはずっとマシです。
 FXよりも安全なものとして、世界各国の国債は(特に先進国のそれは)選択肢の一つにしてもいいと思います。
 浅井隆(2005.3)『次にくる波---2007年から、いよいよ経済大変動がやってくる』PHP研究所 の p.292 によると、浅井氏が作った二つの会員組織「自分年金クラブ」と「ロイヤル資産クラブ」があるという話です。これらは、会員になると、マン社のファンドなどが買えるということです。
 ちなみに、http://www5d.biglobe.ne.jp/~cats_eye/topics_door63.html には、以下のような記事があります。「シンガポールにピータースブルグキャピタルという事務代理店があるのでご存知な方はそちらと連絡されたら良いだろう。日本人スタッフが常駐なので、日本語は勿論OK。総合的に判断すれば、第二海援隊グループの日本インベストメント・リサーチ(03-3291-7291)管轄のロイヤル資産クラブ会員になって確かな情報の基にアクションを起こされた方が結果として安くて安心だと思う。(各人の価値観にもよるが年会費は12万円と決して高くはない)」
 乙は、ピータースブルグキャピタル に連絡してみました。http://www.eguideglobal.com/sg/company.asp?company_id=48683 すると、ここは、第二海援隊グループであり、ロイヤル資産クラブ会員だけに取り次ぐので、まずは会員にならなければならないとのことでした。
 で、ロイヤル資産クラブですが、年会費12万円は、ゴミ投資家の乙としては、とうてい支払える額ではありません。自分年金クラブも、入会金5万円、年会費7万4千円と聞いては、尻込みしてしまいます。
 浅井氏の著書でも、このクラブに誘導しようとしているかのような印象があります。(いや、実際誘導しています。)これは、せっかくの浅井氏の主張に対して、マイナスに働きます。「浅井氏はそうやって会費を集めて自分がボロ儲けするために国家破綻本を書いているのだ」という詮索をされてもしかたがないと思います。
 マン社やクアドリガ社のファンドを購入するのであれば、年会費などを払わなくても、無料で、日本語によるサポートを受けながら、申し込めます。書類自体は英語で書かなければなりませんが(笑)。そういうサポートを無料提供するブローカー(仲介者)は複数あります。ネットで検索すれば簡単に名前・連絡先がわかります。なぜ無料でできるかといえば、それは、ファンドの購入が実際に行われれば、ファンド会社からブローカーにしかるべき手数料が支払われるからです。逆にいうと、ロイヤル資産クラブなどは、ファンド会社からの手数料の支払いを受けながら、投資家からも会費を受け取っていることになります。まさにボロ儲けですね。
 ロイヤル資産クラブなどは、ファンドの購入だけでなく、それ以外のサービスもしているでしょうから、それに価値を見いだす人は年会費を払って情報を得るのがいいでしょう。乙はゴミ投資家ですから、そういうクラブに支払う金はありません。インターネットで入手できる無料情報を活用して自分で自分の道を切り開こうと思っています。
posted by 乙 at 05:36| Comment(1) | TrackBack(0) | ファンドの運用 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
乙様の全文に至極納得です、私も浅井氏の著書(30年不況)を持っておりますが乙様の文章にはうなずきなら気持ち良さを感じました。
Posted by 奈多 at 2012年01月29日 21:48
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