http://otsu.seesaa.net/article/135930679.html#comment
一部引用します。
乙さんは、投資ではリスクを回避できませんと書いていますが、それは正しくないでしょう。
一般的な日本人を前提とすればドル建で原油を買うと、原油の値動きリスクの他に、ドルのリスクを負うことになります。
円建であれば、このリスクは回避できます。
防止も同様です。円で現金を持てば一般的な日本人はリスクを零にできます。また、社債よりは地方債、地方債よりは国債の方が(たとえばデフォルト)リスクが低いでしょう。
軽減も可能でしょう。たとえば、キリンビールを保有したい場合、食品セクターのETFなどを空売りすることでリスクを軽減できます。
もちろん、円の現金や預金にしてもリスクは有ります。しかし、それを言い出すと、投資のリスクが議論できなくなります。
自国通貨の現金のリスクを零とした場合、というのを前提に、投資のリスクは語られるのが一般的でしょう。
事実、乙さんも「投資では」と書いています。
逆に言うと、それでは「投資」とはなんですか?ということになります。
これについて、乙の考え方を述べようと思います。投資とは何か、投資においてリスクゼロがあり得るかという問題です。
乙にとって投資とは、自分のお金に(社会の中を動き回って)働いてもらって、その代わりになにがしかのお礼としてリターンを得ることだと考えています。
すると、リターンがあるためには、手元から現金が出ていって社会の中を動き回る必要があるわけですから、手元に戻ってこない可能性があることになります。つまり、(どんなに小さくとも)投資にはリスクがあることになり、リスクはゼロでないことになります。
乙は、預貯金も投資の一種と考えています。(投資と考えていない人が多いですが、実際、銀行に預けたお金は社会に流れていきます。)しかし、現金を手元に抱え込んでいるのは投資ではないと思います。この境界線が投資と投資以外を分ける線です。
国債はリスクフリー(つまりリスクがゼロ)として扱われることが多いですが、(そして、しばしばそうみなすことで各種計算が簡単になりますから、それはそれでかまわないと思いますが)やっぱり、理屈の上ではリスクはゼロではありません。計算でゼロとみなすのは便宜上そうしているだけだと思います。
ということで、乙は、投資行動においてリスクは(小さくすることはできるけれども)ゼロにはできない、つまり回避できないと考えています。
現金を抱え込んでいる場合でも、インフレリスクがあると考えれば、リスクはゼロでなくなりますが、そもそもこれは投資でないので、今回は無視しておきます。
乙さんと安藤さんのやり取りを読ませていただいて、前提にずれがあるのかな、と感じました。「」内は私が想像する前提を補って書きました。
乙さんは、
「同じリターンを期待して」リスクを下げるには、分散結合しかありえない。
とおっしゃっているのに対し、
安藤さんは
「リターンの期待値を下げても良いならば」リスクを回避、低減できる。
とおっしゃっています。
これらの前提を置くなら、両者の主張は正しいと思います。
安藤さんのご意見と乙のコメントは、ややずれているのかもしれません。
この件に関しては、安藤さんからのコメントを待ちたいと思います。
記事中に気になったことがあり、コメントいたします。
「一般的な日本人を前提とすればドル建で原油を買うと、原油の値動きリスクの他に、ドルのリスクを負うことになります。
円建であれば、このリスクは回避できます。」
こちらの安藤さんの御説ですが、これは間違いです。
原油価格はドル建の価格をベースにしていますので、それを購入した時点で、それが円建てであっても為替リスクを負うことになるのですね。
仮に原油価格がドルベースで一定額としても、為替レートが円高に振れれば、円建てによる原油価格は下落します。
というか、安藤さんがどのような経緯でこのような理解に至ってしまったのかが、よく分かりませんけど。
もし、安藤さんが僕の説明で納得できないということでしたら、実際に原油を買ってみて頂ければよろしいかと思います(というか、原油を実際にお持ちであれば、このような理解にはならないと思います)。
長々と説明するよりも、却ってご理解に資すると思いますので。
駄文、失礼いたしました。
なるほど、乙も見落としていました。
おっしゃるとおり、原油を買うとなればドル建てでも円建てでもリスクは変わりませんね。
自分で買っていないものについては、どうしても判断が甘くなり、場合によっては間違えてしまいます。
本来のテーマに戻りますと、リスクに関しては乙さんの理解が一般的だと思われます。
たぶん安藤さんの考え方って、どこかの証券会社で聞いた説明を受け売りしているような気がするんですよね。
まあ理解が多少あやふやでも結果的に適切にリスクを取って、利益が出ていればそれでOKかもしれませんけど。
駄文、失礼しました。