2006年02月27日

吉本佳生(2002.7)『投資リスクとのつきあい方(上)---サイコロで学ぶリスク計算』講談社+α文庫

 乙が読んだ本です。
 この本もまじめな本で、リスクの計算法はこれでバッチリわかります。確率や統計のことについてあまり知識がない人でも理解できるのではないでしょうか。難しい確率の話をサイコロで説明してしまうことに感心しました。
 ただし、乙にはどうしてもわからなかったことがあります。
 著者は、リスク管理が大事だということを繰り返し述べていますが、「リスク管理」とは何なんでしょうか。本書を読むことでリスクの計算のしかたはわかりますので、自分が買って持っている株について、リスクを計算することもできます。でも、計算することが「管理」ではないですよね。1ヶ月に1回リスクを計算した後、何をすることがリスクを「管理」することなのでしょうか。
 著者には、あまりにも当たり前すぎて、「どうしてそんなことがわからないんだ」としかられてしまいそうですが、乙にはわかりませんでした。
 WWW を検索すると、リスク管理には大きく二つの意味があるようです。

 第1の意味は、リスクを小さくすることです。三つを引用します。
 http://kw.allabout.co.jp/glossary/g_money/w001772.htm
「リスク管理とは、リスクの度合いを自分の受け入れられる程度にコントロールすること。
リスクとして想定されていたことが実現してしまった時に、損失を最小限にとどめるように処置することもリスク管理の大事な一面である。リスク管理の基本としては、状況に応じて資産の現金比率をコントロールすることや、銘柄分散することなどが挙げられる。資産運用においては、収益を求めることと、リスク管理をすることが重要な作業の2本柱といってもいい。」

 http://kabuyougo.blog15.fc2.com/blog-entry-731.html
「リスク管理とは 自分の受け入れられる程度に、危険の大きさを調節することをいいます。
想定していた危険が、起きてしまった時に、損失を最小限にとどめる処置をすることも大事な管理の一つで、状況に応じて銘柄分散することや現金比率の調節をすることなどが、挙げられます。資産運用においては、リスク管理と収益を求めることが重要な作業となります。」

 http://support.mitsue.co.jp/archives/000115.html
「リスク管理とは、具現化して欲しくないが具現化する可能性のある事柄に対し、具現化する可能性をできるだけ低くするための活動を指します。」

 第2の意味は、リスクに対して対策を講じることです。こちらも三つを引用します。
 http://www.fukuzatsu.jp/mailmagazine/20030909.html
「リスク管理とは、「危機が起こらないように予めリスク(危険)を想定し、対策を講じること」をいう。」

 http://www.rmcaj.com/web_page/conference/lessons/001/0509_06a.htm
「リスク管理とは未だ起きていないことを予め予測し対策を練っておくことである。」

 http://blog.goo.ne.jp/moneycafe/m/200511
「リスク管理とは、そのリスクを正しく理解したうえで、足をすくわれる可能性を極力減らしたり、あるいは足をすくわれたとしても軽症で済むようにすることです。」

 このうち、第2の意味「対策を講じる」というのは、株式投資の場合、ちょっと違うような気がします。だって、株価は上がるか下がるかで、自分でどうこうすることはできません。この意味では、一番の対策は株を買わないことになってしまいます。また、この場合、リスクの意味が「変動の大きさ」という意味でなく「危険性」というような意味になっています。
 ですから、株の場合の「リスク管理」は、第1の意味(リスクを小さくすること)ということになりそうです。それにしても、「管理」という日本語は、あまりぴったりしていないような気がしています。英語の management も同様です。リスクを小さくすることなら、「リスク管理」よりは「リスク低減」(decrease)とか言ったほうがずっとわかりやすいでしょう。
 乙がわからなかったことがもう一つありました。リスク管理の視点からは、損切りは大切だということになります。ある程度以上に下落が始まったら、株は損を承知で売らなければなりません。それは納得できます。しかし、予定外に株価が急激に上昇した場合も同じなんでしょうか。
 株価の急騰は、ボラティリティ(=標準偏差)を増大させますから、これから当該株価のリスクが大きくなっていくことがわかるわけで、リスクを抑えるためには、損切りと同じく、早めに株を売った方がいいということになります。
 しかし、一般的には、(投資家の心理からすれば)株価の上昇がはじまったからという理由でその株を売却するのは変で、それよりはじっと持っている(そして上昇が一段落したら売る)ほうがいいように思います。なぜならば、株価が上昇するのは何か理由があるはずで、その理由は瞬時に市場の全員が知ることになるわけではないから、株価の上昇も瞬間的なことではなく、数日かけてゆっくり上がっていくことが多いように思います。(もしかすると、ストップ高になるときに値幅制限が付いていることも影響しているかもしれません。)したがって、株価が急に上がりはじめたからと言う理由で売却すると、あまり利益が上がらず、少し待ってから売却することではじめて株価上昇の恩恵を得ることができるように思います。
 たぶん、リスク低減は下落場面(損切り)だけで適用するのでしょうね。いや、やっぱり、急騰があったということは急落もあり得るということなので、その時点でさっさと売るんですかね。わからない、わからない。


【関連する記事】
posted by 乙 at 04:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 投資関連本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。