http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20100302ATFS0200E02032010.html
によれば、亀井静香郵政・金融担当大臣が「単純な国債だけでなく、無利子非課税国債の発行も前向きに検討する時期だ」と述べたそうです。
無利子非課税国債は、無利子なのですが、その代わり相続税が非課税になるという国債です。
相続税でかなりを持って行かれる富裕層がこれを購入して、相続税も贈与税も払うことなく、遺産として子孫に多額の財産を残すことができるようにするものです。
しかし、このアイディアは、今ひとつのように思います。
乙が引っかかるところは、無利子非課税国債を購入することで、富裕層の税金をたとえば半額に減額することが可能になることです。というか、そのような人しかこの国債を買わないわけで、大多数の庶民には関係ない話です。こういう国債を売り出すことで、当面は、国債の販売額が一時的に増えるというプラスの効果があるかもしれませんが、そのあとでは、税金が徴収できないというマイナスの効果があるのです。富裕層が、この国債を「ありがたい」と感じて購入するということは、相続税で持って行かれてしまうよりも、子孫に残せるほうが望ましいということです。言い換えると、この国債は富裕層を優遇するための国債なのです。これを国庫から見ると、この国債を発行することによって、将来的には相続税を取り損なってしまうわけで、無利子非課税国債が売れれば売れるほど、日本の将来の税収が落ち込むことになります。
一時期、国債が売れても、将来的には償還しなければなりません。一方、相続税は、取れば取ったで、あとで還付する必要はありません。国の立場から長期的に考えれば、相続税のほうがはるかに好都合だということになるでしょう。
いろいろな仕組みをゴチャゴチャ考えるよりも、シンプルにものを考えるほうがいいのではないでしょうか。それにしても、こんなに国債を増やして、どうするつもりなのでしょうか>亀井大臣
参考記事:
http://toyop129.blog48.fc2.com/blog-entry-895.html
ラベル:無利子非課税国債
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国の立場から長期的に考えればたしかに相続税として徴収するほうが都合がよいですね?
そう考えると現在の情況では短期的に考えての行動(無利子非課税国債)と言えそうです
これは不景気限定商品なんでしょうか(笑)
一度作ってしまったら一番購入していたのが政治家達でしたってオチにもなりそうです
これを買って得を実感できる富裕層は成功した経営者など限られてきますしね?
「不景気限定」の意味もあるでしょうが、それよりも、国債がいよいよさばけなくなってきたときの奥の手として考えられているように思います。
政治家が購入ということもありうる話ですが、政治家は、うまいやり方で、地盤・看板・カバンを(子供に)無税で引き継ぐことができるので、この国債はあまり魅力がありません。
政治資金とは別に個人資産を大量に保有している政治家は、きっとこれを利用するでしょうが。
100年ものになったら、本人(およびその子供)がその分の資金を使うことができなくなるわけで、それは大問題でしょう。お金は使ってなんぼのものですからね。
償還までの期間の問題も考えておかなければなりませんね。
乙の感覚でいうと、10年なら、購入者にとってかなり有利な国債になるでしょう。10年以内に死ぬことはだいたいわかりますし、10年間無利息でも、インフレ率がさほど高くなければ、がまんできます。20年(以上)だと、何だかわからない(何があるかわからない)ように思います。20年も無利子ということは、低金利が続いたとしても、相当に大きなマイナスですからね。
20年引き出せないタンス預金をしていることと同じような話になるわけです。
この話は、多くの資産家がタンス預金で、相続税を脱税しているという前提ですすんでいると思います。
実際、日銀に回収されていない聖徳太子の多いこと多いこと。
相続税も取れない、消費もされない、そんな死んだお金なら非課税にしてあげるから、ちょっと使わせてよということでしょう。
そうですか。タンス預金がそんなに多いとは知りませんでした。
金額が大きくなると、タンス預金は不便なことこの上なしです。
相続税が問題になるというなら、少なくとも億単位のお金でしょうが、それくらいを現金で(金庫か何かに?)保有していると、いざというとき、危ないでしょうねえ。
一体、タンス預金とはどれくらいあるものなのでしょうか。
非課税国債の件ですが、相続税対策というものもあるのかもしれませんが、国債入札が不成立することを回避するための施策と言う考え方はないのでしょうか。
私は、深い知識はないのですが、興味はあるので副島、浅井、藤巻氏などの「おはなし」を聞いています。お互いに認めていない彼らが共通して、国債暴落のはなしをしています。日本国債は日本人のみが買っているというよりも、リスクとリターンを鑑みると魅力ない商品なので、外国が購入しないだけとのこと。その日本においても購入余力が僅かながらになっているとのことのようです。
国債暴落は、あるかもしれませんし、ないかもしれません。何とも予測はできません。
もしも、きちんと予測できたら、大儲けのネタが転がっていることになります。そんなことはあり得ませんから、結局、どちらが正しいのか、わからないということになります。
リスクとリターンがアンバランスなのは、その通りだと思います。低金利を反映して、リターンがごく低いわけですが、一方では、この低金利時代に、これからさらに金利が下がるとは考えられないわけで、あとは金利が上がる方向しか考えられません。問題は、いつ上がるのかということです。
国債の金利が上がれば、価格は下がるわけです。つまり、国債を保有していても、大変なリスクを取っているわけです。
ハイリスク、ローリターンの投資の典型が国債のように思います。
なぜ、こんな国債が売れるのか、乙にも理解できません。
日本国債も外国債も期待リターンは同じだという専門家もいますから、リスクとリターンのバランスが取れているかはなんともいえないと思います。名目金利だけで見ると日本国債は見栄えが悪くなってしまいますが、見栄えが悪いことと投資成果は別物です。
ある種の著名人が国債投資を軽視するのは当然のことです。株の現物投資で儲けたらカッコいいが、国債の現物投資で儲けてもショボくてカッコ悪くてモテそうにないし講演の仕事ももらえないでしょう。「著名人の意見」というだけで、既にバイアスがかかっていると思います。