2010年03月12日

北朝鮮のデノミ

 乙が、moneyzine を読んでいたら、変な記述にぶつかりました。
http://moneyzine.jp/article/detail/182113?p=2
 一部引用します。
政府による政府のための徳政令「デノミ」
 貨幣発行権を持つ政府による究極の方法です。通貨単位の切り下げと言われますが、「新通貨発行」と言った方がいいでしょう。
 一番影響を受けるのは、タンス預金をしている人、次に影響を受けるのは、金融機関に預金をしている人でしょうか。「紙の貨幣」という形で資産を保有していた場合、文字通り紙くずになってしまいます。
 つい先日、北朝鮮でデノミが行なわれました。北朝鮮では資産の私有ができないため、誰もが商売等で稼いだお金を現金で保管していました。それらのお金はデノミですべて紙くずに。言い換えれば国が彼らからその資産を没収したのと同じ効果があります。

 デノミは、通貨単位の変更であり、新通貨の発行なのですが、旧通貨と新通貨がしかるべき比率で交換できるならば、得も損もないはずです。タンス預金も紙くずにはなりません。
 北朝鮮の場合は、デノミと同時に、新通貨への交換額に上限を設けたのでした。しかも、その上限額がきわめて低額だったのです。
 つまり、北朝鮮の政策の問題は、デノミではなく、通貨の交換制限だったのです。
 この点で、moneyzine の記事はミスリーディングだと思います。
 北朝鮮のデノミについては、
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/294
がくわしいです。
ラベル:北朝鮮 デノミ
posted by 乙 at 06:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 投資関連の話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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