鳩山政権および民主党に、「こうしてもらいたい」あるいは「こうしてはいけない」などと率直に提言する本です。
乙は、一読して、そのわかりやすさに驚きました。1冊まるまるわかりやすいのです。書いてある内容も十分説得的でした。
逆にいうと、それだけ鳩山民主党の政策が危なっかしくてもどかしく感じるということです。
ごく一部だけ引用しておきましょう。p.119 です。
「社会保障にお金を使えば経済は成長する」というのは間違いです。長期的に経済を成長させるためには、「資本」か「労働」か「技術」のいずれかのインプットが増えなければならない。お歳暮やお中元を贈り合っているだけでは全体のパイが広がらず、日本経済も成長しません。社会政策もこれと同じことなのです。
実に明解です。そして、こういうことで鳩山民主党の政策のいくつか(子供手当、高校の授業料実質無償化……)を否定しています。
本書を読むことで、これからの日本が目指すべき道がはっきりとわかるように思います。
2005 年の日本株の株価上昇は驚きのニュースでしたが、それは、そのような政策をとったことの必然的結果だったのですね。乙はそんなことはまったく意識していませんでした。
【関連する記事】
- 香川健介(2017.3)『10万円からできる! お金の守り方教えます』二見書房
- 大江英樹、井戸美枝(2017.2)『定年男子 定年女子』日経BP社
- 天達泰章(2013.6)『日本財政が破綻するとき』日本経済新聞出版社
- 安間伸(2015.11)『ホントは教えたくない資産運用のカラクリ 投資と税金編 ..
- 橘玲(2014.9)『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方 2015』幻冬舎
- 橘玲(2014.5)『臆病者のための億万長者入門』(文春新書)文藝春秋
- ピーター・D・シフ、アンドリュー・J・シフ(2011.6)『なぜ政府は信頼できな..
- 小幡績(2013.5)『ハイブリッド・バブル』ダイヤモンド社
- 吉本佳生(2013.4)『日本の景気は賃金が決める』(講談社現代新書)講談社
- 川島博之(2012.11)『データで読み解く中国経済』東洋経済新報社
- 吉本佳生(2011.10)『日本経済の奇妙な常識』(講談社現代新書)講談社
- 野口悠紀雄(2013.1)『金融緩和で日本は破綻する』ダイヤモンド社
- 吉田繁治(2012.10)『マネーの正体』ビジネス社
- 午堂登紀雄(2012.4)『日本脱出』あさ出版
- ウォルター・ブロック(2011.2)『不道徳な経済学』講談社+α文庫
- 内藤忍(2011.4)『こんな時代を生き抜くためのウラ「お金学」講義』大和書房
- 瀬川正仁(2008.8)『老いて男はアジアをめざす』バジリコ
- 増田悦佐(2012.1)『日本と世界を直撃するマネー大動乱』マガジンハウス
- 藤沢数希(2011.10)『日本人がグローバル資本主義を生き抜くための経済学入門..
- きたみりゅうじ(2005.10)『フリーランスを代表して申告と節税について教わっ..