2010.3.23 http://otsu.seesaa.net/article/144384086.html
の続きです。
ブログに書いたことで、いくつかのコメントをいただき、乙として気になったことがありました。
それは、贈与がいつ行われたことになるのかという問題でした。
100万円で投資信託を買ったとして、200万円になったときに贈与と認定されれば、せっかくの節税策(贈与税を払わない策)が無駄になってしまいます。
国税庁のホームページにも、赤ちゃんの贈与に関する記載はないようだったので(もしあれば、どなたか教えてください)、国税庁の相談室に電話して、担当の方に聞いてみました。
すると、贈与税は、小さい子供の場合は対象にならないといわれました。贈与も贈与契約であるから、当事者として、「もらう」(今後は自分の好きに使う)という判断ができなければ、もらったことにならないというわけです。これはなかなかおもしろい話でした。
乙は、気になって、この話はどこかに書いてあるかと尋ねましたが、どこにも書いてない話だそうです。こんな大事な話なのに、……。
つまり、赤ちゃんに贈与税の対象になる金額のプレゼントをあげた(赤ちゃんの名義の口座を作ってそこに入金した)場合でも、赤ちゃんは自分がもらったことがわからないから、贈与税の対象ではないということです。大変重要な注意事項でした。
ネットで見てみると、
http://123s.zei.ac/zouyo/zouyozeikakaru.html
にそのような趣旨が書いてありました。
http://www.maeno.net/mt/2009/06/post-4.html
なども有意義な話です。
一方、そうでない意見も書いてありましたが、こちらはかなり心配です。
http://www.habit24.co.jp/tax/donation.htm
には「暦年課税贈与は,赤ちゃんから可能です。」とありますが、本当でしょうか。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1416326394
では、「贈与された金額が110万円を越えていれば、たとえ赤ちゃんでも、贈与税を納付しなければなりません。」とありますが、本当でしょうか。
ところで、孫の名義で投資信託を買っておく場合、いろいろとややこしい問題が起こりえます。
まず、贈与の時期ですが、口座に入金したときでなければ、果たして何歳のときか、わかりません。贈与側(祖父)がすでに死亡しているケースもあります。しかし、贈与側の意思は明確ですから、これは問題にならないでしょう。受贈側(孫)が、親から話を聞いて、自分で「もらう」と判断するときに贈与が成立します。
ということは、価格変動のある投資信託の場合、価格が下落したときをねらって贈与が行われたようにするべきです。価格が上がったときに贈与が行われたと認定されたら、税金分、損をします。
受贈の時期は、書面にして残しておくのでしょうか。後日、投資信託の基準価額の変動を調べて、一番下がったときの日付で書類を書いても、税務署は確認しようがありません。
それはともかく、110万円未満の投資信託のプレゼントをして、贈与税を払わずにいて、20年後に孫が自由にしようとした段階で贈与税の対象だといわれては困ります。
いろいろ考えてみると、111万円をプレゼントして、親が代理人として贈与税の申告をし、翌年に 1,000 円((111万円−110万円)×1割)を払っておくというのが一番現実的のようです。これで111万円が孫の財産であることが公に認定されることになります。
もっとも、赤ちゃんへの贈与を居住地の税務署が認めるかどうかが問題ですが、親が代理で申告しているものを税務署が拒絶するのもおかしな話ですから、たぶん認められるでしょう。
2010.4.2 追記
この話の続きを
http://otsu.seesaa.net/article/145373627.html
に書きました。
よろしければご参照ください。
たとえば、赤ちゃんに10億円を贈与するとすれば、たぶん、税務署としても(赤ちゃんが意思表示できるかどうかとは別に)贈与税を考えるのではないでしょうか。
もしも、単に赤ちゃんだからということで贈与税の対象にしなければ、(子供が大きくなって意思表示できるようなってから贈与税の対象にするならば)これを利用した合法的節税策が考えられます。
乙は、どこかの段階で贈与税を払うことがポイントで、税務署としては、贈与税を払わないままの贈与はけしからんという話だと思っています。
日付については、公証役場での確定日付押捺の手続をすれば、数百円の手数料でポンと押してくれますよ。
重要なお教え、ありがとうございました。
確かに、贈与税を直接払わなくても、贈与契約で十分なように思いました。
贈与はそれほど簡単ではなく、例えば、通帳の名義がいくら赤ちゃんのものになっていても、実際にそれを誰が銀行で開設したか、
印鑑はだれのものを使っているかで判断するし、連年贈与等毎年同じ時期に同じ金額をあげていないか?等いろいろ作法がうるさいですよ。
再度のコメント、ありがとうございます。
乙が死んだ場合は、その時点で相続が発生するので、孫が小さい場合は、贈与がまだ行われていないと判断されて乙の財産のままとなりそうですね。
この点は、乙が勘違いしていました。
いずれにせよ、贈与を実行する前に税務署にちゃんと確認しておこうと思います。