2010年04月09日

日経新聞の電子版で個別記事のリンクに賠償請求?

 乙が驚いたニュースです。
http://www.j-cast.com/2010/04/06063945.html
日経新聞のサイトへのリンクについての方針が、「個別記事へのリンクはお断り」「違反した場合は損害賠償を請求することがある」ということです。
 日経新聞のサイトを見ると、
http://www.nikkei.com/info/link.html
にリンクポリシーが書いてあります。
 今回の話は、たとえば、この乙の記事のように文中に「http://www.nikkei.com/info/link.html」という URL を示して(クリック一発で当該記事が読めるようにして)、日経のサイトのある部分を参照するようなことを書くと、日経新聞社が損害賠償を請求することがあるというものです。そんなバカな話があるでしょうか。
 乙は、日経新聞の方針は間違っていると思います。
 リンクを張る場合は、張る側が勝手に張っていいのであって、張られる側に通知する必要はないし、ましてや、許可を求める必要はないということです。
 上記リンクポリシー中に「リンクを張る場合は、リンク先のページとURL、リンク元のホームページの内容とURL、リンクの目的などを記載してお問い合わせページでご連絡ください。」は不要です。
 さらに「リンクの仕方やページの内容によっては、お断りする場合があります。」とありますが、それは不可能です。書き手が「リンクしてほしくない」と思っていても、それを参照する側が勝手にリンクしていいというのが著作権法の趣旨だと乙は解釈しています。特に、相互批判などで、「ほらほら、ここにこういう間違い記事があるけれど、これは正しくはしかじかなんだよね」などと書くことは当然のことで、それを書き手側が断ったりはできない性格のものです。記事を公表するということは、そのような批判に身をさらす覚悟があるということなのです。
 日経新聞が上記記事中でリンクをお断りする場合として挙げているのは、いろいろ問題があります。
 「営利目的や勧誘を目的とするなど、「日本経済新聞 電子版」の趣旨に合わないホームページからのリンク」は、批判を批判と受けとめないという主張に受け取れます。一般論として、日経新聞の趣旨に合わないリンクも当然ありです。「日経新聞はこんな記事を書いているよ。バカだなあ。」という書き方の中で個別記事にリンクするようなことをした場合、それは日経新聞の趣旨とは合わないと思いますが、こういう批判は許されるし、そのために当該記事を参照するのは当たり前です。当該記事を参照しないでは何も書けないではありませんか。これが「言論の自由」ということです。ま、「バカだなあ。」という書き方は名誉毀損に該当するかもしれないので、言い方は変えた方がいいと思いますが。
 「「日本経済新聞 電子版」のコンテンツがリンク元のホームページの一部に見えるような形のリンク(フレームの中にコンテンツを取り込むような形のリンクなど)」は、もっともです。しかし、こんなことは、わざわざ書くまでもなく、著作権法の趣旨を基準にすれば、明らかです。
 「日本経済新聞社の事業に支障をきたす恐れがあるリンク」もOKです。「日経新聞社がこんなイベントを企画しているが、これは行かないほうがいい」という記事があって、リンクが張ってあると、「日本経済新聞社の事業に支障をきたす恐れがあるリンク」になると思いますが、こういう記事は許されます。これも言論の自由の一種です。
 「個別記事へのリンク」は当たり前に許されるものです。
 「以上の項目に違反した場合は、損害賠償を請求することがあります。」は一番カチンと来るところです。いうまでもないでしょう。

 どうしても、日経新聞が個別記事にリンクを張ってほしくないときはどうすればいいか。簡単です。記事をアップロードしなければいいのです。逆にいえば、記事をインターネットにアップロードするということは、その時点で公開したことと同じことで、他人が、「ここにこういう記事があるよ」と URL を示すことを禁止できなくなります。URL は所在地を示す情報にすぎません。リンクもこれとまったく同様です。

 リンクの考え方については、琵琶湖博物館の方針「リンクに許可はいらない」
http://www.lbm.go.jp/lnkplcy.html
が参考になると思います。乙は、これがインターネットにおける共通理解だと思っています。

 日経新聞社のリンクポリシーは、普通に考えられるリンクに対して網をかけ、「それをするな」と主張するもので、新聞社として許されないものだと思います。
 日経新聞社の今回の件は、著作権や言論の自由など、基本的なことに関して、新聞社として誤解していることを明確に物語っています。マスコミの一部として、こんなことがあっていいのでしょうか。

 乙は、このブログ記事で、日経新聞社の個別記事
http://www.nikkei.com/info/link.html
にリンクを張っていろいろ書いてきました。日経新聞は、リンクポリシーに反しているということで乙に対して損害賠償を請求してくるでしょうか。もし、してきたら、日経新聞は本当にバカだということを世界に公言するようなものでしょう。してこないなら、こんなばかげたリンクポリシーは日経新聞社の品位を下げるだけですから、削除しておくほうがいいと思います。

 乙は、何十年も(紙の)日経新聞を愛読してきましたが、今回の1件で、日経新聞社に対する信頼がだいぶ失われました。


posted by 乙 at 05:34| Comment(1) | TrackBack(0) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
日経のスタッフは何を考えているのでしょうか。日経にとって都合の悪い取り方をされたなら、反論すればよいわけで、それが言論の自由でしょう。

自国の会計基準を他国に強要しておきながら、都合が悪くなると、勝手にそれまで批判してきたやりかたに戻して平気のどこかの国にそっくりですね。

日経に批判が集中することを期待しています。他のメデイアはお仲間意識で我関せずでしょうけれども。
あるいは日経に賛同する連中がでるかもしれませんね。
Posted by 大枝 at 2010年04月10日 16:59
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