日経新聞4月27日夕刊に載っていた記事で、次のようなものがありました。(以下、乙なりに概略を示します。)米上院国土安全保障・政府活動委員会のレビン小委員長の発言ですが、ゴールドマン・サックスは、顧客に住宅ローン関連の有価証券を売る一方で、住宅市場(の下落)に賭け巨額の利益を得たというのです。証券化商品を投資家などに販売する一方で、それを自社取引として空売りしていたわけです。(記事の概略はここまで。)
GSが結果的に儲けたか損したかは問題ではありません。金融取引は、確実なことではなく、リスクがあることですから、予定通りに相場が動かない可能性もあるわけです。結果的に儲かったから犯罪だ、儲からなければ犯罪ではないというのは基準としておかしいと思います。儲かったかどうかでは判断できません。
自社で大量の空売りをしているというのは、これから価格が下落すると予想しているわけですから、そういうものを投資家に売ること自体、投資家に損失をかぶせようとしているということになります。そのような取引をすることは果たして公正な取引かというところが問題です。
もちろん、投資家の側が、是非買いたいということで、GS側に話を持ちかけるような例もあるでしょう。個々の取引自体はさまざまなものがあります。(GSに取引を持ちかけることができる投資家は、当然機関投資家でしょう。)投資家が買いたいといってくれば、金融商品を売って、なにがしかの手数料を受け取るのは仲介業をする以上、当然の行動です。
金融取引では、売る側と買う側がいて取引が成立するわけですから、同一企業が一方で売りながら一方で買うということ自体は問題ではないように思います。
というわけで、乙はGSの立場はあり得ると思います。
米証券取引委員会(SEC)は、GSを証券詐欺の疑いで訴追しました。投資家に(自社が空売りをしているという)重要情報を開示しなかったことを理由としているようですが、これが「詐欺」でしょうか。
何というか、事後的に、儲けた会社をたたいているように見えます。単なるやっかみか何かのようです。
このあたり、正否の判断は微妙な問題かもしれません。乙は、「詐欺」とまではいえないような感覚です。
しかし、このようなSECの判断により、GSの株価は急落しました。
http://news.livedoor.com/article/detail/4741084/
2010年04月29日
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乙は、関連情報を持っているわけではないので、新聞記事を読んだ程度で、ブログ記事を書いてしまいました。
詐欺に該当することになるのかどうかは、これから決まることです。
しかし、新聞を読んだ限りでは、こんなことで「詐欺」と認定されては、GSがかわいそうだなあと感じました。
そういう簡単な話です。