2006年03月21日

JK Wilton の不動産ファンド「大吟醸T」には投資しないことにしました。

 乙は、自分の資産を不動産にも分散投資しようと考え、主としてネットであちこち探しました。そして、JK Wilton の不動産ファンド「大吟醸T」を見つけました。2005年6月ころのことでした。
 http://www.jkwilton.com/nm/publish/news_68.html にこのファンドの説明があります。
 匿名組合形式で 500 万円以上を出資し、5年期限で年 9.85% のリターンを目指すというものです。申込金として 5%(25万円)がかかるとともに、営業者報酬は45万円/年とのことです。
 さっそく、契約書を含む各種書類を送ってもらって、検討しました。そこで、いくつか疑問点が出てきましたので、電話で質問しました。以下、そのときの質疑の主な内容です。(この記述は、電話時の乙の一方的な記録なので、内容に関して JK Wilton が確認しているわけではありません。ご注意ください。)

(1)Q:確認書には、1口500万円で2口以上と書いてあるが、1口でもいいのか。
A:1口でもいい。
(2)Q:営業者報酬として、1年あたり45万円を受け取るとあるが、契約ごと(匿名組合員ごと)か。500万円の出資に対して9%に該当するが。
A:バッファと考えて、低くすることも考えているが、当面 9% でいきたい。
<注>乙の問い合わせに対して、6.20 では、全体に対する費用と回答し、6.22 では、組合員ひとりごとと回答しました。
(3)Q:年利回りを 9.85% と想定しているが、この根拠は何か。契約書にある分配計算ならば、9.85% ということは理解できるが、確認書の計算方式の場合は、どう考えるべきか。
A:物件で収益還元法で計算し、周辺の平均家賃を考慮しているので、まあ確実だ。45万円を引いたあとで、この金額になる。
(4)契約書から確認書への「スキームの変更」に関して
[1] Q:このスキームの変更はなぜ行われたか。
A:銀行が変わったことが主要因だ。弁護士の意見も入れた。
[2] Q:契約書では、蓄積型もあったが、これが年1回分配型だけに変更になっている。これはなぜか。
A:投資家は、定期的な分配のほうを選ぶ人が多かった。
[3] Q:営業者報酬が固定だということは、営業利益に関してインセンティブが働かないではないか。契約書では、成功報酬制だったのに、なぜ変更したのか。
A:不動産の場合は、株や債券などとちがって、ある程度固定的な報酬になってしまうものだ。
(5)Q:確認書第5条7.(3)(ii)費用のところに「A営業者の維持運営のために要する費用」とあるが、これは具体的にどんなことに使うのか。Bの営業者報酬とはどう違うのか。
A:有限会社であり、実態はあまりないので、費用はあまりかからない。
(6)Q:確認書では募集期間が平成16年7月31日までとなっているが、今、どうなっているのか。この書類で契約した場合はどうなるのか。
A:サインする日が募集期間を過ぎていても問題ない。振り込んだ日と比べて遅い日付でもいい。
(7)Q:募集出資金総額は30億円(600口)というが、今、いくらくらい集まっているのか。その多少による運用方法の違いはどんなことか。
A:今、3億数千万である。小回りがきく金額である。
(8)Q:平成15年開始ならば、すでに1回は決算が出ているはずだが、どうなっているのか。
A:これから実質的第1回が出る段階だが、9.85% はまあ予定通りである。
(9)Q:それ以前の実績はあるのか。
A:不動産は第1号なので、ない。
(10)Q:確認書第3条でいうところの2月18日付の2件の契約については、私は何も知らされていないが、それでいいのか。
A:業務的契約なので大したことはない。
(11)Q:確認書第4条でいうところの「重要事項説明書」とは何か。
A:あるけれど、典型的なもので、分厚い。特に問題はなく、普通の説明書である。

 というわけで、いろいろと電話で質問して、乙なりに確認しました。その結果、乙は投資しないと判断しました。理由は以下の通りです。
(1) 契約書を間違えて送ってきたこと
 これは致命的なミスです。最初に送ってきたのは大吟醸Tとは別の不動産ファンドのもので、よく読むと、どうも内容がずれているので、電話で質問して間違いがわかりました。さっそく別の(正しい)契約書を送ってもらい、そちらは WWW の説明などとも符合し、変なところはありませんでした。
 しかし、契約書は、ハンコを押して返すようになっていたもので、まさに一番重要な書類です。それを間違えて送ってくるとはどういうことでしょうか。

(2) 45万円の営業者報酬の説明が、1回目と2回目で違っていたこと
 今から思えば、9% の報酬というのは、そんなものだろうと思いますが、当時は、500万円の出資で毎年45万円の報酬を払うというのがものすごく高く感じられたのでした。だって、投資信託などは1%程度ですからね。そこで、45万円というのは、数十人の出資者の全員で払うべき金額かと思ったわけです。(しかし、契約書をよく読むと、個人ごとに45万円と読めるんですけれど。)
 そんなわけで、乙は、会社に電話して確認したのですが、こういう重要事項に関して、1回目と2回目では説明が食い違っていたというのは問題です。元はといえば、乙が勘違いして電話していたわけですが、会社としては、完全に把握していなければならないところだと思います。これまた重大問題だと思います。

(3) 手数料が高すぎること
 申込手数料5%も高いと思いますが、毎年の手数料(営業者報酬 9%=45万円)が高すぎると思います。これでは、高利回りは期待できないように思いました。このファンドは毎年 20% 近い利回りを達成し、その半分を会社が取り、半分が投資家に分配されるというわけですが、さて、不動産投資で 20% の利回りをコンスタントに上げ続けられるでしょうか。乙は疑問に思います。そして、成績が少しでも下がると、営業者報酬のほうは9%固定ですから、成績の下がった分は全部出資者がかぶることになるわけで、これでは利回りが相当に下がることがあると思われます。

(4) 2口以上という条件で募集していたのに、営業者の判断で1口でもいいということになったこと
 これは、最低投資金額が下がったということですから、投資家にとっては出資しやすくなったわけです。会社としては、こういう変更は問題にならないと考えたのでしょう。
 しかし、乙は、かえって不安に思いました。こんなふうに営業者の判断でドンドン変更していけるなら、最初の「契約」はどんな意味があるのかということです。状況に合わせて何とでもするというのは、投資家のことを考えているのでしょうか。違うような気がします。約束を守らなくていいということではないでしょうか。
 仮に、毎年の手数料を45万円から30万円に引き下げるなどといわれた場合でも同様です。(こういう話はありませんでしたが。)出資者は、手数料が安くなって喜ぶでしょうか。そうとばかりはいえません。一方的に引き下げるというなら、逆に一方的に引き上げる可能性もあるのではないでしょうか。契約書を交わしている以上、それに従うべきで、その内容がまずかったとしたら、そもそもそういう企画を立てたことに問題があるのではないでしょうか。

(5) 500 万円という最低投資金額が高すぎること
 ゴミ投資家としては、500 万円という最低投資金額も、ちょっと高い感じを受けました。
 http://www.jkwilton.com/regist.htm によると「個別のお取引に関しましては金融資産等の流動性の高い資産で1億円以上を保有されている方で3,000万円からのお取引を原則といたします。」とありますので、まさに、こういう人向けの商品なんですね。乙の場合、分散投資が基本方針ですから、1社に 3,000 万円を託すことは考えられません。つまり、どうもこの会社の(この不動産ファンドの)方針と食い違うのです。

 これらの理由の中で、(1)(2) の2点は、重大問題だと思いました。一度こういうことが起これば、今後、類似の(別の)問題が起こることを予見させます。長期にわたってここに出資することを考えると、信頼性に欠けるようで、大いに不安になります。
 そんなわけで、この不動産ファンドは魅力的なのですが、投資見送りという判断に至りました。
posted by 乙 at 06:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 不動産 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。