タイトルを見て、最初は為替の高低を予測する本かなと思いました。あまり期待しないで読み始めたのですが、内容はまじめなものでした。
以下の6章構成です。
第1章 外為相場の長期法則が予想していた円高への揺れ戻し
第2章 「米ドルが凋落する」というのは本当か?
第3章 ユーロはドルに代わる基軸通貨に台頭するのか?
第4章 高金利通貨相場は回復するか?
第5章 中国の台頭と人民元の将来
第6章 オイルマネーは「ドル離れ」をおこすのか?
その中で、読むべきは、第1章と第4章でしょう。
要するに、高金利通貨は長期的に下落するので、それに投資したからといって儲かるわけではない(外国通貨安=円高になる)という話です。豊富なデータを示しながら、丁寧に説明されます。納得できます。この点が第1章と第4章で詳述されるので、本書をざっと読むにはここだけ読めばいいということになります。
もっとも、為替レートの行き過ぎはよくある話なので、うまくがんばれば、それを利用して大儲けも可能かもしれません。しかし、普通の個人投資家では、それは無理というものです。FXで儲ける人がいるのも事実ですが、損失を出す人もきっと多いことでしょう。乙もその一人でした。
第2章、第3章、第5章は個別の通貨に関する話です。それぞれ興味深いですが、あまり新鮮味はありません。手堅い記述といったところでしょうか。
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それを上手く利用した(取り入れた商品)と言うのが80年台からあるデュアルカレンシー債で必ずしも儲かったわけではない、のではなく損をした人も多かったわけです
また遊びにきます。
ありがとうございます。