http://www.yieldtrust-top.com/
日本にいながら、アゼルバイジャン国際銀行にUSドル建ての預金をすると、年利 19% の利息が付くというのです。19% ですよ! ちょっと考えられない高金利です。3万USドルから預けられるというのです。
すぐにでも預金したくなります。
しかし、うまい話には裏があるといいます。19% の利回りがあるならば、なぜ、多くの人がここを利用しないのでしょうか。特に、低金利にあえぐ日本国内の投資家などは、すぐにでもUSドルを送金すればいいのではないでしょうか。
みんながそうしないのは、それなりのリスクがあるためとしか考えられません。
そういう不利な情報は、ホームページなどには書かれませんから、一般にはわからないことになります。
アゼルバイジャンの銀行がUSドル定期預金で高金利を提示するのは、そういう高金利でないと預金が集まらないためです。
投資家たちは一体何を恐れているのでしょうか。
乙が推測するに、二つのリスクがありそうです。
(1)カントリーリスク
アゼルバイジャンがどういう国か、直接具体的に知っている人はほとんどいないでしょう。どんな法律に基づいているのかさえわからないと思います。
ということは、この国は、今後何があるかわからないということです。政府が転覆してしまうとかいう大事件があるかもしれません。
何といっても、新興国は、カントリーリスクが高いと思います。
(2)信用リスク
アゼルバイジャン国際銀行が今後5年間つぶれないとはいえません。どんな銀行か、まったくわかりません。それを知るには、英語のHPなどを丹念に調べる必要があります。
アゼルバイジャンにも日本のような「預金保険」があって、預金者は保護されている(銀行が倒産しても預金は預金者の手元に返る)のでしょうか。非居住者である外国人の預金も、現地居住の内国人の預金と同様に扱ってもらえるのでしょうか。
https://ssl93.heteml.jp/azi/top/ibar_bank.html
には、「預金保険:非対象」と書いてあります。
さて、リスクとともに、もう一つの問題は、この銀行が 19% の利率で預金者からUSドル預金を集めたとして、それを上回るドルの運用ができるのかという点です。19% 以上の運用ができなければ、赤字になるわけですから、銀行としてやっていけません。
「現地はインフレだから、19% くらいの利息は当たり前だ」というのは危ない考え方です。現地通貨ではインフレでも、USドルでも同じとはいえません。一般に、こういうときは為替レートが変動し、現地通貨が安くなり、ドル高になります。ドル建てで 19% を稼ぎ出すことはきわめてむずかしいことです。一体、この銀行はUSドルをどのように運用しようとしているのでしょうか。
このあたり、「情報提供サービス」としては、まったく情報不足です。
なお、日本の会社(口座開設を仲介してくれる)の情報提供料は 4.935% だそうです。500 万円預けると、25 万円近くかかってしまいます。これはかなり高めの手数料といえるでしょう。
それくらいのお金を払うなら、現地に行って口座開設したほうがいいかもしれません。
http://www.ibar.az/ を見れば、何とかなりそうです。
結論として、乙はこの定期預金を利用しません。
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