どちらかというと、澤上氏が自分の考え方を述べる部分が多く、横田氏もそれに賛同する立場ですから、澤上流投資哲学開陳といった内容になるわけです。ただし、対談スタイルで書かれていますから、全体として冗長な感じを受けました。
乙も、長期投資を中心に考えるほうがいいと思っていますので、この本は共感を覚えながら読みました。いい会社、5年後、10年後に必要になる会社の株を、年2〜3回ある暴落時に買って、そのままにしておくというシンプルなやり方です。このやり方を個人で行うのはなかなか大変ですが、投信会社が行うならば、かなりいい線でいけると思います。
p.35 には、投資のことは勉強しなくていいという話が出てきます。乙は、ここに違和感を感じました。さわかみファンドに投資する場合でも、それでいいのだ、それがいいのだと自分で納得するためには、株や債券、為替、金利など、一通りの経済学的知識が必要なのではないでしょうか。そういうのを知らずにさわかみファンドに投資するならば、それは、澤上氏を神と扱い、盲目的に信じているにすぎません。p.57 では、盲信や信奉はよくないという話が出てきます。投資は、自分で納得しながら行うことが大事です。そのためには、やはり最低限の勉強が必要であると思います。
pp.96-97 には、「若くして家を建てるより、できるだけ運用に振り向けておくという選択もある。【中略】住宅購入の頭金として最初に払ってしまう1000万円の価値がみんな、わかっていない。私だったら絶対に、これを運用に回すね」という話が出てきます。乙も、いろいろ迷った経験の末、今ならこの考え方に強く共鳴します。
澤上氏の本は、いろいろ出ています。1冊読んで、澤上流の考え方を知ることは、それを受け入れるにせよ、拒否するにせよ、大切なことのように思います。
乙としては、澤上氏の率いる「さわかみファンド」がもっともっと発展するように期待していますし、それが望ましい姿だと思っています。
乙は、「さわかみファンド」について、すでにこのブログに書きました。
http://otsu.seesaa.net/article/14016027.html
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