pp.36-88 まで、50ページの特集です。(広告が入るので、正味はもっと少ないですが。)
大学問題は、投資と直接関連するわけではありませんが、これからの日本の方向性を考える上で、ちょっと目を通しておこうと思って、駅で見かけたときに買いました。
Part 1 では、「瀬戸際に追い込まれた大学」ということで、「危ない大学」の名前が具体的に挙げられています。実のところ、日本には乙が聞いたこともないような大学がいろいろあるものだと思いました。最近開学したような大学も多いようです。ここで名前を挙げられた大学は、これからいよいよ倒産(大学閉鎖)するのではないかと思いました。今の日本には大学が多すぎるように思います。
Part 2 は「大学ルポ・生き残り大作戦」で、それぞれの大学の学生集めに関する各種作戦が書かれていました。乙が経験した数十年前の大学とはまるで違ってしまっています。大学はこんなことでいいのでしょうか。いやまあ、倒産するよりは、何としても生き残った方が(大学関係者には)いいのでしょうね。
Part 3 は「驚愕の学歴ロンダリング」です。これは、神前悠太他(2008.12)『学歴ロンダリング』光文社 の一部を抜き出したような内容で、もとになった本を読む方がはるかにマシです。大したことない大学に入った場合でも、東大の大学院に入り、「東大大学院修了」という学歴を身につけることを「学歴ロンダリング」と呼ぶわけです。
もっとも、乙は、学歴ロンダリングが本当に有効なのか、よくわかりません。
某企業の担当者から聞いた話では、すでに学歴ロンダリングということが知られているので、採用人事では、応募者が学部レベルでどの大学に入ったかを見るもので、大学院レベルは重要視しないなどということでした。この本(およびこの雑誌記事)がいうように、今でも学歴ロンダリングが有効な会社もあるのだろうと思いますが、そればかりではないと思います。
まあ、それはともかく、各大学の大学院も壊れつつあるようです。
Part 4 は「「財務状況」ワーストランキング」です。全国537私大のランキングです。壮観です。ワースト10あたりは早々と退場を迫られるのではないかと思われます。
それにしても、日本はずいぶん大学が多いと思います。18歳人口の半分が大学に進学する時代になりましたが、そんなにたくさんの人が大学に行って、いったいどうするのでしょうか。人口の半分が進学する時代では、大学レベルの教育は本当にその質を保てるのでしょうか。絶対に無理です。今の学生たちの親の世代がお金に余裕があるのでこんなことになっているのではないかと感じています。
どう考えても、閉学すべき大学がたくさんあるように思います。(関係者の方々には厳しく響くと思いますが、……。)
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無理して奨学金を有利子で借りて、
後に就職難などで返済に困っている話なんかを聞くと、
冷静に損得を考えた方が良いですよ、
と余計なことを言いたくなりますね。
確かに、奨学金を借りてまで大学に行くべきかというと、悩ましい問題です。
つぶれそうな大学に行くくらいなら、行かずに別の道を考えるほうがいいでしょう。
しかし、それなりの名前の通った大学に行ける場合は、何かとメリットがあったりしますから(高校生では考えにくいでしょうが)、無理して行くのも一つの選択肢になると思います。
大学がつぶれると、卒業証明書の発行はどこがするのでしょうかね。卒業後、しばらくすれば、そんな書類が必要になるケースは少ないでしょうが、いざというとき、困ったりしそうです。
大学関係者で、学生のレベル低下をご存じということは、やはり、教員の方でしょうか。
乙も、親戚を通じて、一部の大学の学生の質について聞くことがあります。ひどい実態があります。まあ、固有名詞を出したら、いろいろなトラブルになりそうです。