日経新聞
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C93819481E3E7E2E2818DE3E7E2EBE0E2E3E29F9FE2E2E2E2;at=DGXZZO0195166008122009000000
では、次のように報じています。
仙谷由人官房長官は15日午前の記者会見で、同日に政府・日銀が実施した円売り・ドル買いの市場介入について、1ドル=82円前後が防衛ラインになっているのかとの質問に対し「野田佳彦財務相がそう考えたのだろう」と答えた。
それに対して、読売新聞 9月16日(木)12時30分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100916-00000556-yom-pol
では、次のような記事を載せています。
82円ラインで渡辺代表「官房長官発言はバカ」
みんなの党の渡辺代表は16日午前、仙谷官房長官が政府・日本銀行による1ドル=82円台での為替市場介入を「防衛ライン」とみなすような発言をしたことについて、「官房長官は82円(台突入)がラインだみたいにバカなこと言っちゃう。私が投機筋だったら必ず狙う。本当にバカだ」と批判した。
こちらのニュースは他のところでも報じられています。
http://news.goo.ne.jp/article/jiji/politics/jiji-100916X381.html
こんなふうに防衛ラインを発表するものではないし、発表してしまったら、あとで変更して、「先の発言はなかった」とするしかないでしょう。この発言が今でも有効ならば、1ドル82円台までは為替介入はないということですから、投機筋がねらうとしたら、次のようなことになるでしょう。あくまで、簡略化した一例ですが、……。
(1)今、大量にドルを売って円を買う。
(2)円高が進行する。
(3)83円ちょうどくらいで当面手持ちの円を売り払ってドルを買う。
(4)さらに円高が進行したら、為替介入があることは確実だから、82円台でさらにドルを買う。
(5)日銀の介入で円安になる。
(6)ドルを売る。
以下、これを繰り返すことで、ボロ儲けができます。
この方法でむずかしいのは、(4)で82円台でドルを買うとき、具体的にいくらのレートで買いに回るかを判断するところです。82円台後半でいいと思いますが、買う直前に為替介入があるかもしれません。そのタイミングが読めません。(3)に合わせて円を持っているポジションをドル持ちに変えてもいいかと思います。
まあ、これくらいは素人でも読めることなので、こうならないように、「防衛ライン」を事前に公表してはいけないし、公表してしまったら即座に変更するのがいいわけです。とはいえ、いろいろ審議して82円台という防衛ラインを決めたのでしょうから、これを変更するのはむずかしいでしょう。
国のやり方はやり方として、もしこういう防衛ラインがあるならば、乙の82円でのドル買いの注文
2010.9.17 http://otsu.seesaa.net/article/162894764.html
は、実現することはしばらくなさそうです。ま、ゆっくり待っていますが、……。
財務大臣をはじめとする内閣の方々は多分状況を把握していないと思うので、とりあえず介入してみたものの、あっさり為替水準の維持を諦める、というシナリオも捨て切れないでしょう。
その場合、乙さんの「必勝手順」もはしごを外されることに…自国政府を信用して損するのは困りますよね(笑)。
駄文、失礼いたしました。
防衛ラインが実質的に明らかになっているとはいえないと思います。
今回は、82円台後半で介入したということは事実ですが、次回もそうするとは限らないと思います。たまたまこのレートだったともいえます。
しかし、82円台が防衛ラインだと発言したら、次回もそうすると言っていることになります。
次回、そうしないで、たとえば79円台で介入したりすると、以前言っていたことと違うではないかという批判が出ます。
こうならないためには、防衛ラインなどは自分からは口にしない方がいいということになります。
変な批判封じになるということです。
為替介入の有無などについては、一種の業務慣行として関係当局者は内容を曖昧にすることが認められているのですが、今回のケースでは官房長官が記者の誘導質問に引っ掛かったかのように取り上げた渡辺代表に問題があると感じました。
介入の水準と規模は明らかになりましたが、乙さんのご指摘にあるように再度82円台に突入しても次は介入しないかも…という気もしますね。