2006年04月19日

内藤忍(2005.1)『内藤忍の資産設計塾』自由国民社

 乙が読んだ本です。
 とてもまじめで、長期の資産運用を考える上での一番の参考書といえるでしょう。乙が最初にこの本に出会っていたら、考え方が変わっていただろうにと思います。特に第1章がおもしろいです。
 p.5 では、日本株投資の場合、数年の投資期間を見たとき、TOPIX を上回るアクティブファンドの数は半分以下であるという表が出ています。だからインデックス運用が無難だという結論になるわけです。しかし、乙は、話はそう単純ではないと思います。一定額を一定期間運用する場合はその通りですが、個人投資家は、必ずしもそう行動するとは限りません。株の調子がいいときには株に資金を突っ込み、具合が悪くなれば逃げます。そして、そういう株価の変動は、日本経済全体の流れのようなものを見ているとかなりわかります。悪くなっていくのがわかっていて資金を引き揚げないのは怠慢です。それを考慮すると、内藤氏のいうようなことがそのまま当てはまるとは限りません。
 p.28 から、投資では、個別銘柄を選択するより、アセットアロケーションを考えることが一番大事ということが説かれます。大変おもしろいです。
 乙は、単に値上がりすればいいじゃないかと思っていましたが、それではハイリスクになってしまうので、あるとき(たとえばブラックマンデーのようなとき)ガツンとやられてしまうというわけです。それはわかるのですが、しかし、だからといって、今のような状態で日本の国債を買うというのは、どうも乙にはできません。低金利を背景に、あきらかにリターンが低いことがわかっているのですから。
 長期にわたって安定したリターンを得るためには、アセットバランスを調整しながら一定のアロケーションで行くほうがいいというのは理解できますが、それは、数十億円とか数百億円とかを運用する場合ではないかと思います。内藤氏はファンドマネージャーだったようですが、そういう場合は、個人投資家と違って、機関投資家にきちんと運用方針を説明できるように、もっとスジの通った運用をするべきです。この本に書いてあることはかなり当てはまるでしょう。でも、それに比べて少額を運用する個人投資家の場合はどうでしょうか。
 個人投資家としては、アセットアロケーションを厳密に守らなくても、リスクが取りに行けると思ったときに取りに行き、どうもダメだと思ったら、手を引くというようなことがあってもいいのではないでしょうか。
 たとえば、乙の考えでは、今は、日本の国債を買うことは考えませんが、数年先に、株が相当に上がったころに(?)かつ、金利がかなり上昇したときに、株を全部売って、国債を買うということがあるかもしれません。そのときは、株の割合が0になり、国債の割合が(0から)増えるのですが、それでいいのではないでしょうか。
 また、個人投資家としては、アセットのリバランスがしにくい場合があるように思います。個人投資家は、アセットアロケーションをあまり厳密に考えるよりも、やや大胆に自分の考えで運用先を変えるというのもありではないかと思ってしまいます。少しぐらいアセットアロケーションが変わっても、あまり気にしなくていいと思います。分散させることはとても大事だと思いますが。
 乙の考え方としては、アセットアロケーションはどんどん変えていくべきで、固定的な運用はよくないと思います。ましてや、リバランスのために、一部の投資先を解約して別の商品を購入するなんて手数料がかさむだけです。しかし、次の商品の購入にあたっては(分散投資という点で)考慮するべき重要ポイントです。
 p.163 には、標準的なアセットアロケーションとして、日本株式 30% 日本債券 10% 外国株式 20% 外国債券 20% その他 20% という数値が出てきます。p.168 では、「外貨は40%くらいを占めるように」とあります。この意見は大変参考になりました。乙の場合は、今までのところ、先にアセットアロケーションありきで投資先を決めているわけではなく、適当に分散投資を考えてきただけです。つまり、乙のアセットアロケーションは結果的にそうなったというだけです。一応、乙の現在の資産配分を計算してみると、日本株=17% 日本債券=0% 外国株=29% 外国債券=11% 預貯金=10% 不動産その他=32% となり、不動産その他がかなり多いようです。(例によってワンルームマンションは含みません。)
 p.59 では、日経新聞の 2003年1月3日 の有望銘柄の検証があります。以前、乙も 2005 年分についてやってみましたが
http://otsu.seesaa.net/article/13168549.html
こんなことをする前に、この本を読めばよかったですね。結論はすでに出ていたんですから。
 ま、乙のしたことは、余計な手間をかけたのだと残念がるよりも、自分自身で調べて納得したのだということに価値を見いだしましょう。
 p.121 には、株価の変化を追いかけたグラフとして、全銘柄平均と、バリュー株(割安株)とグロース株(成長株)の比較が出てきます。バリュー株が全銘柄平均を上回っています。ということは、バリュー株投資をすればいいことになります。インデックスファンドよりも、バリュー株を狙うアクティブファンドに投資するのがいいことになるわけです。(これについては、乙の考え方を
http://otsu.seesaa.net/article/15981395.html で示しました。)


2009.2.23 追記
 この本の【新版】について、記事を書きました。
http://otsu.seesaa.net/article/114669428.html
よろしければご参照ください。

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posted by 乙 at 05:26| Comment(0) | TrackBack(1) | 投資関連本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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