ダイヤモンドオンラインで野口悠紀雄氏の「人口減少の経済学」を読みました。
http://diamond.jp/articles/-/9908
そこに、総務省の家計調査の結果が引用されて図表1が載っていました。
とってもわかりやすい表です。
もとの調査(たとえば
http://www.stat.go.jp/data/sav/sokuhou/nen/pdf/h21_sokuhou.pdf
などが典型でしょうが)よりもずっといいです。端的な傾向が1枚の表にまとめられています。
しかし、ちょっとわかりにくいところがあります。それは、貯蓄の欄ですが、2点あります。
第1に、「株式・株式投資信託」は「有価証券」の内訳であり、少し右側にずれて書かれているものの、それがはっきりしないという点です。
第2に、貯蓄の欄の「定期性預貯金、生命保険など、有価証券」を足し算しても、「貯蓄」の金額と全然合わないということです。もとの総務省のページと突き合わせると、わかります。実は、通貨性預貯金(普通預金、ゆうちょ銀行の通常貯金)と金融機関外(社内預金など)がばっさり落ちているのです。このため、下の方の「比率(%)」を足しても100よりずっと小さい数値になってしまいます。
ちょっとミスリーディングな表かもしれません。
それにしても、1枚の表ですが、今の日本の現状を年齢別によく描き出しているなあと思います。持ち家率、年間収入、貯金と負債などを通して、人間の一生が見えてくるような気がします。乙の今までの経験、息子の経験などを合わせてみると、この表に近い感じがします。
また、乙の個人の例を当該年齢層にあてはめることによって、「平均からのずれ」も見えます。
乙の場合は、年間収入が多く、貯蓄が多く、負債が少ないということです。
貯蓄の内訳では、定期性預貯金が少なく、生命保険がなく、有価証券が圧倒的に多いという偏りがあるわけです。
もとの総務省の資料で貯蓄現在高が 3000 万円以上の層を見ると、以下のようになっています。貯蓄現在高が 5428 万円、その内訳では、金融機関が 5320 万円、金融機関外が 109 万円。金融機関の内訳は、通貨性預貯金 805 万円、定期性預貯金 2428 万円、生命保険など 1083 万円、有価証券 1003 万円です。
乙の場合をこれと比べると、定期性預貯金が少なく、生命保険がなく、有価証券が圧倒的に多いという偏りがあることは同じです。
乙は、日本の平均から見ると、かなり好みが偏っていることがわかります。
2010年11月01日
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政府発表の家計調査等を見るといつも劣等感を抱いてしまうので、
極力見ないようにしているともやです。(笑)
よく、年収や貯蓄額の平均データを見掛けますが、一部の富裕層が
押し上げてしまい実態と合っていないように感じる時があります。
本来は平均値には余り意味がなく、人数による分布で出してこそ意味
のある数値のようにも思うのですが…
ただ、政府的には余り公表したくないデータかも知れませんね。(笑)
家計調査といっても、サンプリングですから、超富裕層のうち誰がサンプルに含まれるかによって、結果は大きく変わってきます。
大きく異なっているものの平均を出して意味があるのかという議論は、いつでも可能です。
しかし、そうはいっても、個々バラバラでなく、全体をながめるとしたら、平均値はそれなりに便利なものでしょう。あくまでものさしの一つにすぎませんが、……。
そうですね。
乙川様のおっしゃる通り、確かにそのような捉え方は
出来ますね。(^^ゞ
ものさしは色々なものがってこそ尺度を図る事ができる
ものですよね。