カンさんのブログ
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もそうですが、とてもわかりやすく書かれています。本書は 168 ページほどの新書ですから、読み切るのにも時間がかかりません。それでいて ETF については必要なことがほぼ全部書かれているということで、入門書としてきわめて有意義なものといえます。
読んでいておもしろかった点ですが、pp.60-61 で、国内 ETF が低調なのは機関投資家が利用しないからだとしています。そうなのですよね。いくら個人投資家が ETF がいいからといって買ったとしても、たかがしれています。機関投資家が利用するようにならないと売買に厚みが出てきません。そして、機関投資家ならば、理論価格と市場取引価格のずれ(乖離)を利用した裁定取引などもできるでしょうから、ぜひ ETF に参加してもらいたいと思います。それでこそ、個人投資家が安心して ETF を買えるようになるはずです。
p.132 では、安全資産を保有する場合、銀行預金よりも債券に投資する非上場投資信託にするべきだとしています。乙は、銀行預金と債券とを(固定金利ということで)一緒に考えていますが、本書ではそうではないとのことです。
その理由は、
@銀行の倒産リスクを隔離できる
A銀行の預金より若干高いリターンが期待できる
Bポートフォリオのバランス調整がしやすい
という3点です。以下、これに関する乙の意見を書いておきます。
@ですが、預金保険でカバーされる範囲(1,000 万円まで)の預金ならば、銀行が倒産しても、あまり問題ではないように思います。一つの銀行で 1,000 万円ですから、複数の銀行を利用すれば「銀行数×1,000 万円」の預金ができます。普通の人には十分な範囲だと思います。
Aは、一般的にはそう言えますが、定期預金の利率は、ボーナス時期などではかなり高くなることがあり、
2009.12.8 http://otsu.seesaa.net/article/135002513.html
債券を上回ることさえあります。うまく探して、時期が合えば、定期預金の方がいいということもありそうです。
Bはカンさんのおっしゃるとおりで、銀行の定期預金は、預入のときに決めた期間、おろせないし、おろすと利息がきわめて低くなります。したがって、定期預金ではリバランスなどはほぼ無理です。債券のファンドならば可能です。
とはいえ、リバランスがどれくらい必要かということですが、乙は、実際上あまり必要ではないのではないかと感じています。これについては、先日も述べました
2010.11.6 http://otsu.seesaa.net/article/168435589.html
が、もしも株式が大幅に上がってしまったら、固定金利の定期預金を増やせばいいので、事実上リバランスできます。株式が大幅に下がった場合が問題で、定期預金を一部解約するのは非現実的です。ただし、リバランスは、あまり頻繁に行うものではないというのがモーニングスターの主張ですが、だとすると、そのうちには定期預金が満期を迎えるのではないでしょうか。それを継続しなければ、定期預金をやめることに該当し、つまりはリバランスしていることになります。定期預金は3年くらいが普通の最長期ですが、だとすると、平均1年半で満期が来ます。定期預金は1口にまとめておく必要はないので、適宜預け入れると、いわば口数を分散していることと同じことになり、実際上リバランスできてしまうように思います。
というようなことを考えると、Bもあまり大きな差ではない(銀行預金だって負けていない)という見方ができそうに思います。
ともあれ、個人投資家にとってとても役立つ本です。広くおすすめします。
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こちらの本は私も書店で見掛けました。
ETFには非常に興味がありますので、ぜひ今度購入して
読んでみる事に致します。
ちなみに、カンさんはどんな方でしたでしょうか?
カンさんのブログを読ませて頂いている私のイメージでは
ユーモアのある話し好きの方のようなイメージを持って
おりますが…(笑)
「ユーモアのある話し好きの方」に、ピッタリ当てはまっています。
乙は、以前にもインデックス投資ナイトでお目にかかりましたが、そのときもそのような印象を持ちました。
とてもいい方です。
こういう方だと、きっと仕事も順調なんでしょうね。
イメージ通りの方という事で安心致しました。(^^ゞ
現物拠出で設定・解約が容易にできるものでないと厚みが増さないとの意見です。
どこまでこれで説明がつくかは分かりませんが・・・
お教え、ありがとうございます。
何と、海外投資用の国内 ETF には裁定取引ができない構造的理由があったのですか。
それは知りませんでした。
それでは日本の ETF 市場が伸びていかないのは当たり前ですね。
まあ、乙は国内市場の ETF には、はじめからあまり期待していないのですけれど、……(笑)。