日本の格安航空会社・スカイマークが国際線を飛ばすというニュースがありました。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20101119/217186/
おもしろいのが、新たに開設するのがアジア路線ではなく、欧州路線だというところです。
日本航空や全日空に対抗して利益を上げていく方が、エア・アジアなどの格安航空会社の競争が厳しいアジア地域でがんばるよりもよいという現実的な経営判断の結果です。
JAL も ANA も見下されたものです。スカイマークに対抗しようと思っても、今までのいきさつ上、そう簡単には行かないようです。それを見越してスカイマークが進出してきているわけです。
しかも、800 人以上を収容できる機体に 394 人用の座席を設けるという話ですから、スカイマーク便はビジネスクラスやファーストクラスが中心になると思われます。スカイマークがこういう構想を立てているのもけっこうなことです。単なる格安航空とひと味違います。
スカイマークの戦略は興味深いものです。こういう発想に将来性を感じます。
とはいえ、これが顧客に受け入れられるかどうかは別問題です。事前の綿密な市場調査などにより、これでやっていけると判断したのでしょうが、本当に大丈夫かどうかはもう少し時間が経ってみないとわかりません。
客の側からすれば、外国に安全に飛んでいければいいのであって、何も日本の航空会社である必要はありません。(ただし、客室乗務員は日本語が完全にできる日本人である方が安心感があります。)本当に日本の空が自由化されるならば、アジアのLCCが日本と欧州を結ぶ路線を開設してもいいはずです。そうなれば、スカイマークとはまた違った旅のスタイルができるのではないでしょうか。
最近は、アジアのLCCで働く日本人客室乗務員も増えつつあるという話を聞きます。
客室乗務員については、高い運賃を払って日本人客室乗務員がたくさんいる便に乗るか、安い運賃で日本人客室乗務員がいない(したがって英語で意思を伝えるしかない)便を選ぶか、悩ましい選択があります。客の英語能力の程度と運賃の差額の大小によって判断も分かれるでしょう。
何にせよ、多様な旅行プランが可能なのはいいことです。そのような状況が実現すれば、客の選択によっておのずと最適な旅行ができるようになるはずです。
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http://www.shinoby.net/2010/11/post-2257.html
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