これに関して、12月7日の日経新聞夕刊3面「十字路」欄に、竹内淳一郎氏がコメントしていました。
就職戦線にはさらにハードルがある。第1は外国人(留学生)。事業の国際展開を急ぐ企業は人材のグローバル化を進めている。第2は高齢者。社会的な要請もあるが、賃金が下がるほか、雇用期間も最大5年と割り切れる。第3は主婦層。夫の所得目減りを補う観点から労働市場へ参入している。配偶者控除廃止となれば、さらに増えるだろう。
というわけで、大卒者の就職に関しては、明るい未来はなさそうです。
今は、整理解雇が実質的に禁止されていますから、大卒者を採用するということは40年にも及ぶ雇用保証をするということで、新卒採用には慎重にならざるを得ません。結果的に、新卒や非正規雇用にしわ寄せが来ているというのは事実です。
では、どうするか。
竹内氏は正社員の賃金引き下げや、過剰労働の改善を提案し、これによって雇用の場を提供するとしていますが、さて、日本の社会はそういう痛みに耐えられるでしょうか。
高齢者については、以前、ブログ記事でも書きましたが
2010.7.21 http://otsu.seesaa.net/article/156959618.html
雇用期間が限定されている点が雇用者側のメリットだという視点はおもしろいと思いました。
さらに、労働市場においては外国人と主婦も無視できない問題です。
大卒者の就職難を通して、日本社会がよく見えてきます。
さて、日本の将来はどうあるべきなのでしょうか。
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これもよく言われることですが選り好みしないで中小企業に入ればいいんじゃないかと。
そもそもその程度の頭しかない大学生がかなり多いと思いますが。
たぶん、英検1級の人は就職できない4割には一人もいないでしょう。世の中の流れに対して何の武器も持たずに生きて行こうとる程度の頭の方は、その結果を甘んじて受けるべきでしょう。
比べる「昔」がいつかによって話は違ってきます。時代によって「大企業」も入れ替わっており、昔と今の比較は難しいです。
学生の能力がピンからキリまでなのはその通りですが、「大学生」となると、たいていの人はブルーカラー的な仕事を嫌うし、自分はホワイトカラー的な仕事に就けると勘違いしている人が大半です。中小企業でなく大企業に入れると信じ込んでいます。
上位者は、どうせうまく就職していけるケースが多いから、問題は生じません。
下位者は大変です。自分の能力に見合ったところをねらうのではなく、みんなが高望みをしているわけです。
親しい大学教員から下位校での授業のようすを聞くことがありますが、驚きの連続です。大学とはいいにくい実態があるようです。そういう大学の卒業生は全部職にあぶれてしまっていいのでしょうか。
あるいは、たくさん学生を入学させた大学が悪いのでしょうか。
定員割れを起こしているレベルの大学はつぶれていいのでしょうか。
乙は、どうしたらいいか、わかりません。
どこかが狂ってしまったように思うのですが、どこがいけない(いけなかった)のか、今ひとつはっきりしません。
それはともかく、新規大卒者には、別の意味でのライバルがいることも自覚しなければならないというのが記事の趣旨です。
大学のレベルが下がったとか、卒業者の数が増えたということとは別の問題があるということです。