http://www.seoulholdings.com/ がホームページです。
さっそくパンフレットなどを送ってもらって検討しました。その結果、乙は投資しない判断を固めました。
なぜ、そういう判断に至ったか、記しておきましょう。
この会社は、日本人投資家から円建てで資金を集めて、韓国で消費者金融をしています。30年の歴史のある会社です。
募集内容の一つで「満足投資」を見てみましょう。50万円以上の投資金額で、1年目 8.5%、2年目 9%、3年目 9.5%、4年目 10%、5年目以上 10.5% という配当を円建てで付けてくれます。ずいぶんと高利回りです。1年1ヶ月以降はいつでも中途解約でき、契約期間満了時には、継続投資か満期解約が選べます。
乙は、こういう条件を見て、食指が動きました。円建てで 10% の確定利回りが期待できれば、乗らない手はありません。
しかし、ちょっと考えました。なぜこの会社は日本人から円建ての資金を集めているんでしょうか。韓国ではウォンで消費者金融をしていますから、為替の問題が発生します。もしかしてウォンとの関係で円高に振れた場合、この会社はやっていけるのでしょうか。消費者金融ですから、現地では3割とか5割とかの利率で利子を取っているのでしょうが、それにしても、極端な為替変動が起きたら、日本人にとって投資資金が回収できなくなるかもしれません。
そもそも、今の日本は低金利ですから、30年の歴史のあるまともな会社が適当な日本の金融機関に申し込めば、10% などといわずに、それ以下の利率で資金が借りられるのではないでしょうか。仮に 10% の利率だとしても、個人投資家多数に呼びかける手間を考えると、一つの金融機関からまとまった資金を借りる方がずっと楽でしょう。日本の金融機関がどこも貸さないならば、それはそれなりの危険性があると金融機関に判断されているわけで、そういう状況の中で個人投資家が代わって「出資」できるものでしょうか。
あるいは、韓国の金融機関から資金を借りることだってできるはずで、その場合は、わざわざ円建てにする必要はなく、ウォン建てで借りられます。そのほうが、金利が多少高くても、為替リスクがないから、企業としては安定的なやりくりが可能で、トータルではずっと有利な条件になるはずです。なぜそうしないで日本人に出資を募っているのでしょうか。
配当を確定利率で示していますが、これはある意味で投資家を軽視しているのではないでしょうか。投資信託に典型的に見られるように、固定的な手数料を運用会社に払って、リターンは(為替リスクも含めて)全部投資家が受け取るのが普通ではないかと思います。あるいは、成功報酬制で、得たリターンを会社と投資家が適当な比率で分け合うようなことでもいいと思います。しかし、この会社はそうはなっていません。また、なぜ確定的な利率が示せるのでしょうか。どんな計算をしているのでしょうか。このような運用で、この会社はいくら儲けが出るのでしょうか。
こういう投資の場合、投資家としては出資金の保全をよく考えておかなければなりません。パンフレットによると、韓国では、公証人法に基づいて公正証書を作成して、それで出資金が確保されると書いてありますが、なぜ、書類1枚で出資金が保全されるのか、乙には理解できませんでした。どういう内容の契約書類なのでしょうか。そういう契約内容は募集パンフレットに明記するべきではないでしょうか。
ここに述べたようなことを考えて、乙は出資を見送りました。
最近、乙は WWW を検索してみました。単なる宣伝のようなサイトがたくさん見つかります。
http://blog.mag2.com/m/log/0000118915/106714512?page=1
http://blog.mag2.com/m/log/0000154425/106724187?page=1
http://marukin.ti-da.net/e411115.html
http://hidesanta.fc2web.com/okane1.htm
http://blog.livedoor.jp/easylee/archives/2005-01.html#20050118
http://www.melonpan.net/letter/backnumber_all.php?back_rid=396104
http://www.melonpan.net/letter/backnumber_all.php?back_rid=406788
http://www.pitanavi.com/blog/i101
http://plaza.rakuten.co.jp/kibonoasue/diary/20051113/
http://tuki100.blog10.fc2.com/blog-entry-5.html
http://blogs.yahoo.co.jp/kunikoppy/archive/2005/04/04
http://blogs.dion.ne.jp/honmono/archives/1109038.html
http://www.melma.com/backnumber_1771_2356631/
http://investment.blog7.fc2.com/blog-date-200505.html
現に予定された利回りを得ているということを書いているサイトもありますが、それはそうでしょう。オレンジ共済だって、天下一家の会だって、問題になる前は全部利息(配当)分をつけて出資者に返金していたのです。実は、あとからの出資者の出資金を以前からの出資者に回していただけで、自転車操業だったのですが。そして、問題が起こったときは、全体が一気に破綻・倒産します。
一部には、そうなる前に逃げ出せばいいのだという意見もあるようですが、いつそうなるかはわからないわけですから、長期投資に向かないようなところには一切手を出さないのが賢明な判断ということでしょう。
ちょっと骨のあるまともな意見は、次に載っています。
http://okweb.em-net.ne.jp/kotaeru.php3?q=1038847
http://money4.2ch.net/test/read.cgi/money/1070134216/
こちらでは、詐欺だ、あるいは自分は手を出さないという声が強いようです。乙の判断と一致しています。
この投資に魅力を感じている人は、どうぞ継続してください。
乙は手を出さないと判断しているだけです。
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2年位前にとあるサイトかメルマガかでソウルコスモホールディングスの存在を知り、資料請求。そのままにしておいたのですが、最近幾らか資金を都合出来そうなのでFXにしようかどうか考えてる最中に、また案内が今日来ました。実際ここは危ない投資先なのか見極めかねています。
当時知った情報では韓国は通貨不足、よって金利が高い。コスモでは貸し付けには審査があり資産を持っていて且つその資産額の70%程度の金額の貸し付けしない。その試算は担保として預かる様な気がしたのですがプロの目で見てやっぱり止めておいた方が無難なんでしょうか?
ちなみにコスモをおすすめしていたのもファイナンシャルプランナーだったと思います。
乙は一個人投資家で、プロではありませんから、「プロの目で見てどうか」はまったくわかりません。
小川さんご自身でご判断ください。
ついでにいえば、日本の金融機関や機関投資家がソウルコスモホールディングスに投資しているかどうかを確認するといいと思います。投資していれば、「プロの目で見て」大丈夫と考える人がいるということですし、投資していなければ、「プロの目で見て」誰も投資しようと思わなかったということです。
実は5年ほど前から当時ソウルキャピタルという名前だったこの会社で投資をして、去年やめました。
幸い、利息も元本もしっかり戻ってきましたが、これをはじめたときは、どぶに金を捨てたつもりではじめたのです。
これから、投資しようと思っている方は余っているお金を捨てるつもりで始める覚悟が必要だと思います。
ちなみに、年始の挨拶のとき粗品が送られてきました。