http://otsu.seesaa.net/article/187318737.html#comment
コメントというよりも質問といったほうが近いでしょうか。
簡単にいえば、毎月配当型の投資信託でもそんなに悪くないのではないかということです。
以下、yumenotabiji さんの挙げる2点についてメモしておきます。
(1)配当されたお金に関するリスクはゼロである。
リスクを大きく背負いたくない人にとっては毎月配当型の投資信託は適した投資だという意見ですが、これは、投資の本質とかかわる問題です。そもそも、リスクを取りたくない人は投資を一切しないのがスジでしょう。いや、実際は現金を手元に貯め込んでいる場合だってそれなりのリスク(たとえばインフレリスク)があるのですが、それはおいておくとして、しかるべき資金を投資信託に回すということは、つまりはその資金をリスクにさらしているということです。毎月分配型の投資信託で分配金という形で現金に換える必要はありません。はじめから投資信託を買わなければいいのです。
(2)蛸足自体が問題ではなく、投資信託が稼いだ利益が基準価額に対して高いか低いかを考えるべきだ。
これは前半は間違いだと思いますが、後半はその通りです。
現実の分配型投資信託を見ると、投資信託が稼いだ利益が基準価額に対して低い場合が多いのです。つまり、利益以上に分配しているということです。これをタコ足と呼んでいます。ですから、タコ足は投資効率を下げているだけで、ほぼ無意味です。
基準価額が6000円として、分配金が100円とすれば、税金を考慮しても7年程度で投下資本を回収しますよね?不動産投資に置き換えれば、6000万の物件で毎月100万の家賃を貰ってるのと感覚的に近いです。
これは、不動産投資と投資信託でまったく違うと思います。不動産投資は家賃をもらい続けた上で最後には(何が最後かわかりませんが)不動産という現物が残ります。しかし、投資信託では全部分配金になってしまうと、最後には何も残りません。
さらに、土地の値段が変わらないと仮定すれば、年月が経てば建物は老朽化しますので、売る際は購入代金よりも低くなっていると考えられ、投資信託において基準価額が下がること自体は私にとっては何の問題もない。問題があるとすれば、減価分を分配金で賄えない時だけです。
これは、投資信託の場合、基準価格の下がり方が大きすぎるという点が問題になりそうです。
基準価額が 6000 円で分配金を毎月 100 円出すとすると、1年で 1200 円で、20% の分配金ということになります。このとき、投資信託が全然利益を出していないとすると、基準価額は 4800 円になっています。この段階で同じ金額の分配金を出すと、次年度は 25% の分配金です。さらに、33%、50%、100% となって終わります。どうがんばってもそんな利回りで運用できるはずもないのです。したがって、基準価額 6000 円で毎月 100 円の分配は分配金過多(タコ足)だと思います。
もしもたとえるとしたら、不動産投資ではなく、現金を銀行に預金しておいて、定期的に取り崩しているようなものというのが近いでしょう。自分の金を自分で引き出して、一体何がお得なのかということです。投資信託の場合は、こういうことをするにも、信託報酬という形で毎年資金の 1% くらいは金融機関や運用会社に取られてしまいます。
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ただ、私も毎月分配型投信を一時保有していましたが、
そのときはハイ・イールド債(ジャンク債)に投資をしたいけれど、
毎月分配型の投信しか方法がない、
という消極的な理由で選択しました。
もしキャッシュアウトした方がリスクが少ない、
と思えるような投資対象であれば、
それは避けて別のものに投資した方がもっと安全だと思います。
ブログの1記事として取り上げて頂き、また乙様の意見を書いて頂き、ありがとうございます。
乙様の意見を見て、投資信託の利益が出ていないとするとという前提はいただけないと思います。なぜなら、私はタコ足を認めた上で、その分配金の中にもファンドが稼いだ利益があるのでは?と申しているからです。
ここからは、より具体的なお話がしたいので、国際ワールドREITとフィデリティのUSREITを例に取らせてください。
毎月発行の決算報告を見てみると、
国際ワールドREITでは、1月時点で79ヶ月経過し、月末時点の基準価額は5011円、設定来分配金は6040円、合計すると、11051円となり、このファンドは79ヶ月で信託報酬を差し引いて1051円稼いだことになります。月平均は13.3円ですので、年間159.6円。これを、これから投資するとすると、3.18%の年間利回りとなります。
フィデリティも同様に計算しますと、3.47%となります。ただし、税金を引かなければならないので、差し引いて考えると、どちらも約3%ですね。
ここで、注意しなければならないのは、これまでの実績が将来を占うモノでは無い点であります。にも関わらず、これからの投資を考えているのに、過去の実績値を用いて税引後年間成績利回り(と命名させて下さい)を計算している点であります。さらに、元本分もタコ足分配により減っているので、月13.3円/万口稼げるかはわからない。
しかしながら、設定時からこれまでのファンドに与えた重要な経済事象を考えてみると、設定時のドル円相場はどちらも110円程度であったし、どちらの数字もリーマンショックを経験してのものであることが言えます。設定時からの期間にリーマンショックの期間の占める割合は20%はあると考えております。その中で、税引後年間成績利回りが先月末時点の基準価額を元に計算して3%であれば、これから投資する人にとっては決して低いとは言えないのではないかと思うのです。まして、乙様の言われる定期預金の取り崩しと考えるなら十分でしょう。
もちろん、他にこれよりも条件の良い案件があれば、そちらに投資すべきですが、少なくとも日本国債のデフォルト→ハイパーインフレという流れが予想される現時点では毎月配当型の投資信託(今回は海外REITを取り上げました)もアリではないかと考える次第です。
連続コメント失礼します。
受け取った分配金は海外への投資を対象とした投資信託の購入代金に充てています。
そうでなければ、分配金がインフレリスクに晒されてしまいますので…
この様に文章にしてみて思うのは、私の方針に所々ブレがある点です。例えば、分配金を受け取った先の投資信託の購入代金に充てることがあるからです。で、あれば毎月配当型にする必要は無いし、毎月配当型にするなら金額買いをした方が買付手数料を取られない。
方針が一貫していないのは、ディーラーをやっていたせいなのかもしれません。100%自信を持つのは危険と体に刷り込まれてしまったんですね。。
ディーラーをやったことで得たものもありますので、ディーラーをやったことが悪かったとは思いませんが、その代償もあったということです。
投資について語り合える場がこれからも提供されることを祈念致します。田舎でお話できる人を見つけるのは絶望的ですので…
二つの REIT 投資信託の例では、トータルで利益が出ているので、そもそもタコ足ではない(なかった)と考えます。
さて、これらの投資信託では、基準価額が約半分になっており、設定来分配金が6割ほどになっているという例ですね。この投資信託が、1万円を投資して79ヵ月で 1,051 円、1ヵ月あたり 13.3 円稼いだというのはいいでしょう。
しかし、これを(現在の基準価額を基準にして)「今まで約3%で回ってきた」と見るのは正しくないと思います。1万円を投資して年額 159.6 円の利益を出してきたのですから、1.6% と見るべきです。
さらに問題なのは今後です。基準価額が半分になっていますから、今までと同じだとしても、年間 5011×0.016=80 円しか稼げないと思います。
1.6% の利益をどう考えるかですが、国際投信投資顧問のワールド・リート・オープン(毎月決算型)
http://www.kokusai-am.co.jp/fncj037/Init.do?fundCd=149024
の信託報酬は、1.6275% です。
フィデリティ投信のフィデリティ・USリート・ファンド
http://www.fidelity.co.jp/fij/fund/usr_1.html
の信託報酬は、1.47% です。
儲けの半分は運用会社などに持って行かれてしまったことになります。
乙は、この信託報酬は高いと感じます。
二つのファンドの例を出されていますが、そいつは毎月分配とは関係ないでしょう。単純にファンドが投資するアセットの値動きがよかっただけです。
毎月分配型の通貨選択型のレアルファンドで好調の時期があったからといっても毎月分配がいいとは言えません。レアルが好調だっただけです。
そのアセットの成績と分配有無は関係ありません。
回答ありがとうございます。
解約し、自分で運用するように考えを改めました。
幸いにして、自分で運用する時間が取れなくもない環境にあります。昔ほど張り付いてとまではいきませんが、以前やっていた手法を元に時間軸を長めに取る運用をしていこうと思います。
重ね重ね、ありがとうございました。