2006年07月04日

太田晴雄(1998.1)『預金封鎖』オーエス出版

 乙が読んだ本です。
 副島隆彦(2004.9)『老人税----国は「相続」と「貯蓄」で毟り取る』祥伝社
http://otsu.seesaa.net/article/20136536.html
を読んだあと、国会図書館の蔵書検索をして気になっていたのですが、何と、この本そのものを近くの古本屋で発見!! たった 300 円で買うことができました。まったく偶然でした。
 さっそく読んでみましたが、内容は、題名から想像できるとおりでした。以下に目次を示します。

 第1章 円が紙くずになる日
  200X年 預金封鎖
  限界を超えた日本の財政
  経済政策はなぜ功を奏しないか
  ビッグバンは邦銀の死を早める劇薬
  政府が個人資産を狙う
 第2章 預金封鎖の時代
  歴史は繰り返す
  昭和2年「モラトリアム発令」
  昭和21年「預金封鎖」
  預金封鎖そして新円発行
  資産の捕捉から没収へ
  あの時代、うまくやった人、うまくやれなかった人
  海外でも預金封鎖は珍しくない
 第3章 200X年恐怖のシナリオ
  預金封鎖、今度はこうなる
  国民データの収集を強化しはじめたら気をつけろ
  デノミそして新税登場
  混乱に乗ずるチャンスの生かし方
  その時あなたはどうする
  官僚の行動パターンを読んで行動しろ
 第4章 資産を外国に一時疎開させよ
  カントリーリスクがいっぱいのニッポン
  資産防衛はスイスの「民間防衛」を参考にしろ
  疎開先はやはり国外
  万全を期すならばプライベートバンク
  外国に行って口座を作ろう
 第5章 ドルで持つか円で持つかが貧富の分かれ道
  円で預金した人とドルで預金した人の大きな差
  海外金融商品はこうして選べ
  資産疎開を阻む税法の高い壁
 第6章 自己責任の原則はあなたを賢くする
  勝ち組と負け組の境はコネにある
  価値ある情報とは
  資産家になりたい人の行動原則

 書いてあることは、副島氏の本を読んだ後では、特に目新しいことではないと思います。しかし、この本の出版のほうが副島氏の著作よりもはるかに先なんです。1997年の時点で危機を指摘していたというのは、浅井隆氏の一連の著作とつながる考え方です。
 pp.171-172 では、理想的なポートフォリオについて述べていますが、資産を 1000 万円から5億円までに分けて書いてあります。プライベートバンクが登場するのは1億円以上のところです。このことから、対象読者として数億円の資産がある人を念頭においているような気がします。
 乙は、この本を一読して、ますます副島氏がこの本の真似本を書いたような気がしてきました。乙は、そのこと自体が悪いと言っているわけではありません。副島氏が他者に「自分のマネをするな」と言っていることに対して、その言い方はまずいと言っているだけです。


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posted by 乙 at 04:08| Comment(0) | TrackBack(1) | 投資関連本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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