Lyxor Asset Management 社が運用する Reverso USD Guaranteed Fund というものです。
http://www.hsbc.com.hk/data/hk/personal/invest/unit/pdf/ut_fs_61623_en.pdf
ファンド会社が説明している資料が以下にあります。
http://www.sgcib.com/net/sdp/sdp.nsf/2A40D9B17A686ED8C12570290031933F/$file/Reverso_22Jun05_Eng.pdf
元本確保の仕組みはいろいろあるようですが、どんな仕組みにせよ、元本を確保すれば、それだけローリスクになりますが、同時に低いリターンしか望めません。だから、元本を確保しながらハイリターンであるわけはないのです。日本人向けでは、なぜ元本確保型がはやるのでしょうか。やっぱり、金融商品が元本割れして虎の子のお金を失うのが恐いからなんでしょうか。乙は、ハイリスク・ハイリターンのものを複数購入(分散投資)する方がずっとおもしろいと思います。
とはいいながら、実は、乙も元本確保型のファンドを一つ買ってしまったのでした。それがこのファンドです。金融商品が(購入当時)よくわかっていなかったというべきでしょう。今なら買わないと思います。
純資産は US$ 55m とかなり小ぶりです。申込手数料は 0%、信託報酬は 0.1%、解約手数料は 3.6% かかります。2009年7月償還予定です。解約手数料は、投資開始の時点で引かれてしまい、償還時にはその分が戻されることになっています。したがって、運用成績はマイナス 3.6% で始まりますので、いつも成績が悪い感じに見えます。
このファンドは、購入後6ヶ月で 4% の利息、1年後にも 4% の利息が付きます。確かに、乙にも2006年2月に 4% 相当分が振り込まれました。しかし、その分、ファンドの基準価額が下がり、いわば元本が取り崩されていることと同じであり、何もいいことはありません。
このファンドは世界の株で運用するのですが、実際はアメリカ4割、ヨーロッパ4割、日本2割という配分です。上記資料を見ると保有する株15銘柄が並んでいます。
購入時のパンフレットによると、株価が下落しても上昇しても基準価額が上がるような仕組みになっているとのことです。きっとデリバティブなどを活用しているのでしょう。このあたりの仕組みをきちんと確かめずに購入するとは、投資家としてかなり甘いです。それを確認しておけば、逆に、利益が出ない場合がどれくらいあるかを考えることができたはずです。今は反省しています。
で、運用状況ですが、基準価額は元本割れがずっと続いています。2005年8月からスタートして、6月末で(4%の利息分を含めても)マイナス 3.4% という結果です。ちょうど解約手数料分の値下がりに該当します。何のことはない。投資家側から見ると、現金をそのまま持っていたことと同じことです。ファンド会社としては、この間、資金を運用できたので、儲かっていることでしょう。直接の手数料(信託報酬)は安くても、その周辺に儲けのタネはたくさん転がっていますからね。
早く解約するとペナルティ=解約手数料(3.6%)を取られますので、解約しようにも解約しにくい感じです。
4年経って(あと3年ですが)、満期になって、元本が確保されたら、少なくとも 8% 分の利息は付いているのですから、4年に渡る運用期間を考えれば、年 2% のリターンがあったと考えていいのではないでしょうか。つまり、このファンドは4年間じっとしているのが最適という形です。乙が目標とする年 7% にはほど遠いという点で、大いに不満ですが、ま、中にはこういうのがあってもいいでしょう。
いい勉強になりました。
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