サラリーマン投資家が10年の経験を基に書いた本ということで、乙も興味を持ちました。書いてあることは大変にまともで、参考になる面がたくさんあります。
結論を簡単にいうと、株式投資をするならバリュー株(割安株)にしようということです。
第1章は「バリュー株投資で週末投資家を目指そう!」という章です。
株式投資には、成長株投資とバリュー株投資という二つの考え方がありますが、成長株投資はうまく行かないことが多いとのことです。なぜか。p.42 で、成長株は株価に今後の成長が織り込まれてしまっているからだと説明しています。
p.44 では、優良企業が投資先としていいとは限らないという話が出てきます。なるほど。これは重要な指摘です。
第2章は「バリュー株を見つける「投資指標」の使い方」です。
p.68 で、バリュー株とは低PBR株のことだと書いてあります。p.83 で、バリュー株指標のパフォーマンスを見ると、どのバリュー株指標もいい結果を残しています。中でも、低PBRが一番いいようです。乙は、雑誌「オール投資」のデータを基に、低PBRがいいという結論に達しました(詳しくは、乙のブログのカテゴリ「雑誌「オール投資」徹底検証」
http://otsu.seesaa.net/category/1483079-1.htmlを参照)。それがもっと長期のデータで裏付けられています。ただし、角山氏は、p.84- で、こういう指標を単独で使うのでなく、組み合わせて使うのがいいと述べています。
第3章は「究極のバリュー株・「福袋銘柄」の見つけ方」です。
角山氏は、値段以上の価値がある株のことを「福袋銘柄」と呼び、現預金の多いキャッシュリッチ企業や、所有する有価証券や土地に着目した銘柄選びのコツを説明しています。p.126- では、つまらない企業に着目し、人気銘柄には手を出さないということが書かれています。ピーター・リンチの本
http://otsu.seesaa.net/article/21354780.html
にも同様の記述があったことを思い出しました。
第4章は「バリュー投資を理論面から検証する」です。ここで、角山氏は、効率市場仮説、行動ファイナンス理論、アノマリー(変則性)など、現代の投資理論の主だったところを解説します。
第5章は「世界のトップ投資家に学ぶバリュー投資の極意」です。それぞれの投資家の考え方がおもしろいです。その中に、SGターゲット・ジャパン・ファンド(pp.182-187)が挙げられていて、乙は「おや」と思いました。乙もこのファンドを購入しましたが
http://otsu.seesaa.net/article/16412346.html
実は、その後、2006年5月8日に解約したのでした。角山氏がいうように、このファンドは2000年の設定日から2004年くらいまではいい成績だったのですが、2005年は、さほどでもありませんでした。乙は、2005年5月9日からちょうど1年運用し、3割増の好成績を享受しましたが、TOPIX には負ける結果になっています。よかれ悪しかれ、こういう事実がこのファンドの特性を物語っているように思います。
第6章は、「投資の常識・非常識を知っておこう」という章です。乙は、この章を一番おもしろく読みました。たとえば、次のようなことが書いてあります。
p.197 日経新聞は初心者向けだから、読まなくていい。
p.198 アナリスト・レポートは「車のカタログ」のようなもので、販促物にすぎないから、役に立たない。
p.200 マネー雑誌は役に立たない。広告が多いので、各種金融商品について批判的に書けるわけがない。
p.204 自社持株会はハイリスクである。
pp.208-214 投資信託を買ってはいけない。
p.214 それでも買うなら、ETF とさわかみファンドである。
これらは、いずれも角山氏のいろいろな経験が活かされた記述になっていると思います。それぞれに納得できる話です。
なお、角山氏のサイト「パーシャル・オーナー」もアクセスしてみるといいと思います。
http://www5f.biglobe.ne.jp/~dream3/
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