出席した株主は350人ほどいました。
幕張というと、自宅からはだいぶ遠くて、交通費もバカにならないくらいです。
銚子丸は、2年以上も前に買った株ですが、株主優待が目的で、株価の上下はあまり気にしていないのです。最高値がいくらだったのかさえ知りません。乙は、隣に座っている人から質問されて、答えられませんでした。恥ずかしい話です。
議案は一つだけで、剰余金処分の件ということです。1株27円と決めればそれで終わりです。
しかし、それよりも、社長の顔を見て(ついでに妻=会長の顔を見て)声を聞くことに意味がありました。
社長の話の内容から、ちゃんとした経営理念を持っている人だとわかりましたし、この人なら安心して任せておけると思いました。貸借対照表や損益計算書を見て今期の業績などをチェックすることも大事かもしれませんが、それよりも、経営者がどんな人かということの方が大事だと思います。
社長の話を聞いていると、かなりアットホームな感じで、フランクにいろいろ話をするタイプのようで、個性的な人だと感じました。
銚子丸は今年の1月に北浦和店と東寺山店で食中毒事故を起こしたので、その経過報告と今後の衛生面の対策などがたっぷりと語られました。前者の原因はノロウィルス、後者はA型肝炎とのことでした。乙は社長の説明に好感触を得ました。
その後の質疑応答の進め方を見ていると、議長としての手綱さばきも見事でした。個人株主の多くは、銚子丸の利用者(客)でもあり、したがって、質問とともに、どこそこの店舗ではこんな問題があるというような具体的な指摘などもあって、質疑応答も聞いていておもしろいものでした。
1時間半ほどで株主総会は終わりました。
株主総会参加のお土産として、銚子丸の利用券 500 円分5枚と、会長の著書1冊が手渡されました。交通費分は十分カバーされました。外食産業は、お土産もなかなかありがたいものです。その昔、乙が東芝の株主総会に出席したとき、お土産として単一乾電池のセットをもらいましたが、重くて、運ぶのがいやになりそうなシロモノでした。どうせ大した値段のものではないわけですし、そもそも単一は使い道があまりなさそうです……。
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グルメ寿司は100均にくらべて値段どおりクオリティが高いのですが、その質を量を昼と夜に提供するために、従業員は朝7時など早朝から寿司を握っています。そうしないと昼時に十分な量の種類の寿司を出せないからです。こうした長時間労働を強いられているこど、この業界の労働条件は相当きついです。
かような一部のステークホルダー(ここでは従業員)に歪みを持たせてこそ成り立っている経営であり、業績であり、評判であることを冷徹に捉える必要があると思います。
勿論、このようなケースは銚子丸だけではなく、ほかの会社、業界にもみられることでしょう。銚子丸の類似例でいえば居酒屋なども労働条件は同様に過酷です。
例えばワタミなどもマスコミで青年社長の立身出世物語が散々紹介されていましたが、従業員は薄給もいいとこ。ワタミで働いていては生活できないから、モンテローザグループに転職する事例を何度も聞きました。(ちなみにモンテローザだって安いですよ)
我が家の近所にも銚子丸があり、私も寿司が好きなので時折食べにいきます。たしかに質と値段のバランスは見事です。でもそれは経営者が素晴らしいというより、長時間労働にも耐えて寿司を握っている従業員の頑張りあってのサービスです。そのあたりをあんまり思い浮かべながら寿司を食べると味を損ねてしまいますが、すくなくとも私には寿司の味の先に経営者の顔は浮かんではきません。
ちなみに総会での経営者のプレゼンはスタッフが滞りなく資料とトークネタを揃えてリハーサルを入念にしたうえでのショータイムです。実績数字以外の内容は話半分に聞いておいた方がよいと思います。
2点だけコメントします。
乙が銚子丸で食べるとき、たいていはその場で板前さんににぎってもらっています。朝7時ににぎったものをお昼に食べるなどということは考えられません。仕込み(各種準備)が朝7時からあるというなら話はわかりますが……。
社長のプレゼンがスタッフやリハーサルの成果であることはその通りです。しかし、質疑応答に関していえば、その場での臨機応変の能力が見られます。また、当初予定されたプレゼンでなく、(原稿を読むのでなく)その場で株主の方を見ながら、話の流れやパワーポイントで示される資料とは別に(やや脱線気味に)話す場合もあり、そういうのは、社長の肉声だと思いました。