2006年08月22日

リチャード・ホロデック、上中淳行(1999.9)『スマートインベスターのためのオフショア投資とヘッジファンド──心構えから、設立、運用まで──』ダイヤモンド社

 乙が読んだ本です。
 今となっては、ちょっと古くなった感じもしますが、金融ビッグバンの結果、日本人もオフショア投資ができるようになって、さっそく書かれた本と言えましょう。弁護士のホロデック氏がセミナーで話した内容をもとにオフショア金融センターを利用する日本人投資家のための実用的なガイドブックとしてまとめられました。
 第1章は「オフショア金融センター入門」です。オフショアがどんなところかが説明されます。
 第2章は「オフショア金融センターへの投資の実際」ということで、オフショア銀行に口座を作ってオフショアファンドを購入するまでが説明されます。
 p.66 では、オフショアに自分の銀行を作る(!)話まで書いてあって、ずいぶん本格的な投資話が展開されます。
 p.78 には、ヘッジファンドの運用成績が書いてあって、乙は興味を持ちました。Van HFA という出典とともに、1993-1997 年の結果ですが、次のようになっています。ファンドは 5000 万ドル以上のものだけを取り上げているとのことです。

VAN ヘッジファンドインデックス
1) アメリカのファンド  21.5%
2) オフショアのファンド 18.3%
株式投資信託平均   14.9%
債券投資信託平均    6.2%
S&P500指数       20.3%

 なるほど。ヘッジファンドの中でもアメリカのファンドは特に好成績なんですね。
 第3章は「オフショア金融センターへの投資形態」ということで、ファンドを中心に、直接型と間接型をわけ、さらに、それぞれを投資勘定型、法人型、信託型、パートナーシップ型に区分して、それぞれの特徴を述べます。とても詳しい記述です。
 第4章は「オフショア金融センターの利用と税金」で、第3章の分類を踏まえて、それぞれの税金面が詳しく述べられます。投資家の居住国、ヘッジファンドの所在地、ファンドの運用先の所在地を組み合わせて説明するところなどはかなり念のいった記述です。
 第5章は「ヘッジファンド投資を検討する」ということで、ヘッジファンドへの投資方法を述べます。
 p.197 では、Tremont Advisers という出典を示した上で、1993-1997 のパフォーマンスの比較がなされます。p.78 と似ています。

ヘッジファンド
22.08% マーケットオリエンテッド
15.09% 債券投資型
17.76% 復活期待型
21.78% エマージングマーケット
20.52% マーケットニュートラル
21.35% グローバルマクロ
20.38% 先物

14.80% 代表的ミューチュアルファンド
20.21% S&P500指数

 どの手法でも、5年の平均で年率約20%ということですから、やっぱりすごい成績です。ミューチュアルファンドは、平均指数に負けていますが、ヘッジファンドならそれ以上の成績が期待できます。
 ところで、こうやってみると、平均指数による運用はバカにできませんね。インデックスファンドを買う意味はここにあることが理解できます。ヘッジファンド投資と同レベルのパフォーマンスなんですから。

 本書は、全体として、サラリーマン投資家のための本ではなく、オフショアに会社を作って投資する人のための本と言えるように思います。本格的な投資とはこういうものだということがわかります。しかし、サラリーマン投資家の乙には違和感がありました。
 ただし、ヘッジファンドが実際にミューチュアルファンドよりもずっと好成績であることで、そういう投資を考える意味があることがわかったという点で興味深かったです。

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posted by 乙 at 00:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 投資関連本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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