2006年09月02日

角川総一(2006.5)『金融データに強くなる 投資スキルアップ講座』日本経済新聞社

 乙が読んだ本です。
 日経金融新聞の連載に手を入れてまとめた1冊だそうです。
 投資の常識を疑ってみようということを中心に、36の話題を並べています。
 乙が読んでおもしろかったところを中心に、いくつか紹介します。
(5)p.42- 債券は一物三価、四価で、実はいろいろな価格があるとのことです。そして、満期まで持つべしと説きます。
(9)p.66- 自分でグロソブのような外国債券ファンドに相当するものを作る話です。さまざまな通貨で MMF を利用すれば可能だということで、乙は大変おもしろいと思いました。ただし、外貨 MMF は、普通の債券よりも金利が若干低い(信託報酬の分だけリターンが下がる)(?)ようですので、「債券ファンド」とまではいえないように思います。
(10)p.71- 新規投信は必ず高値づかみになるから損だと説き、したがって、新規ファンドに性格が近い既存のファンドを買うのがよいと勧めています。なるほど、もっともな話です。乙は今まで、まったく気が付いていませんでした。
(11)p.80- 定期分配型外債ファンドにもメリットがあり、特に高齢者の立場では毎月分配で自分の資産を取り崩していくことが意味があると説明しています。山崎元氏も同様の見方をしていましたが
http://otsu.seesaa.net/article/22402936.html
乙は、角川氏の議論のほうがわかりやすいと思いました。
(13)p.94- 投資信託のコストが高いかどうか議論しています。p.97 のように、数年間の投資期間を通算してコストを見なければならないというのはその通りです。そうすると、10個のファンドの平均で5年間で56%ほどのリターンがあり、そのうち11%がコストで、投資家は45%ほどの収益になるという計算結果になります。上昇部分の2割という手数料を高いと思うか、安いと思うかという問題です。乙はそんなものかなと思います。
(14)p.100- 低PER効果と小型株効果を国内ファンドで検証しています。実際に TOPIX 平均よりも高いリターンを上げています。理屈はわからないけれど、インデックス運用よりもよい結果が出ているのは興味深いです。単なる「アノマリー」(今の理論では説明できない市場の変則性)で片付けられるのでしょうか。ま、だからこそ、アクティブ・ファンドの存在意義があるのですが。
(27)p.181- 家計において、株式保有比率が急上昇しているが、それを額面通り受け取っていいかと疑問を呈しています。ある割合の資金を株に投資していたら、株価が上がったので、計算上、多くの割合で資金を株に投じているように見えてしまったということです。統計上の数字としては正しいことでも、その解釈になると違った見方もできるんだなあと感心しました。
(36)p.227- 金融資産を実際に持てば、マーケットを見る座標軸が定まると述べます。乙も実感しています。いろいろな金融資産を持ってみて、はじめてわかることがたくさんあります。そういう経験を積み重ねて、投資のことがわかるようになるのでしょうね。乙は、もっといろいろ経験してみたくなりました。

 全体にまじめに書かれており、各種の投資をする人は一読する価値があります。帯に書いてあったこと(「目からウロコ」の新・金融常識)はその通りです。ものの見方が単純でなくなり、一方向から見るのでなく、多様な見方をするようになると思います。

 余談ですが、角川氏のブログを訪問してもいいかもしれません。
http://blog.livedoor.jp/s_kadokawa/


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posted by 乙 at 04:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 投資関連本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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