いくつかの記事から一部引用しておきましょう。
http://www.worldtimes.co.jp/news/bus/kiji/2006-09-19T091408Z_01_NOOTR_RTRJONC_0_JAPAN-228797-1.html
90億ドルを超える運用資産を抱えるアマランスは、天然ガスのポジションを手じまうことにより、年初来で35%を超える損失に陥るおそれがある、としている。
http://excite.co.jp/News/economy/20060920165757/JAPAN-229078-1_story.html
米証券取引委員会(SEC)のコックス委員長は19日、ヘッジファンド運用会社アマランス・アドバイザーズが巨額の損失を出している問題について、一部のヘッジファンドに対する投資リスクを注意喚起していると指摘した。同委員長は「【中略】こうした手法が個人投資家向けではなく、知識と経験の豊かな投資家向けであることを確認するためだ」と語った。
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003017&sid=aw6j6MxpGEdU&refer=jp_japan
ヘッジファンド、アマランス・アドバイザーズは21日までに、エネルギー取引を第三者に移管し、保有証券を売却した後の旗艦ファンドの月初来損失が約60億ドル(約7025億円)となることを明らかにした。
同社の旗艦ファンドは月初から19日までに、資産の65%を失った。現在の資産は35億ドル未満だという。創業者のニコラス・マオウニス氏は書簡で、エネルギー取引のポートフォリを第三者に譲渡したことを明らかにした。これによって天然ガス取引での損失拡大を防ぎ、「融資枠の取り消しや債権者による強制的清算のリスクを回避できる」としている。
アマランスは先週の天然ガス価格下落を受け、今週初めに資産の約50%に相当する46億ドルを失ったことを明らかにした。年初の資産は約75億ドルだった。
http://ml.investor.reuters.co.jp/research/news.asp?storyid=nTK2939181
最近数週間に天然ガス取引で巨額の損失を出した米ヘッジファンドのアマランス・アドバイザーズは、解散、保有エネルギー資産売却、他部門の売却交渉に動いている。アマランスは、損を出したエネルギー関連ポートフォリオについて、具体名は明らかにせず第3者に譲渡することで合意した、と投資家に伝えた。関係筋は、譲渡先はシタデル・インベストメント・グループとJPモルガン・チェース
というわけで、LTCM の1998年の破綻以来の大規模損失かもしれません。
レバレッジを効かせた運用をしていれば、失敗したときに巨額の損失が出るのは当然のことです。それにしても、一つの市場で巨額の資金を運用していたんですね。このことに驚きました。まさに投機・ギャンブルの世界です。
アメリカのヘッジファンドですから、どうも機関投資家だけが投資していたようで、個人が投資できるようなものではなかったと思いますが、もしも出資していたらショックだったでしょうね。
しかし、大きな損失を出しても、第三者に譲渡されるような形できちんと精算されるわけで、夜逃げのようなやり方(犯罪?)とは違います。今回の出来事はやむをえないと受け入れるしかないでしょう。投資は、失敗することもあるので、こんなことになることも覚悟しておかなければなりません。
問題は、こういう大規模損失がどれくらいの割合で起こるのか、自分の投資先がこうなる可能性はどれくらいあるかということです。各種記事では、そこがわからないので(いや、そもそもわかるはずがないので)、ヘッジファンド投資をどう考えるべきか、判断しようがないということになってしまいます。
今回の報道のされ方も中途半端な感じで、日経新聞は9月22日になってやっと報じました。
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