2006年10月04日

安間伸(2005.7)『ホントは教えたくない資産運用のカラクリB錬金術入門』東洋経済新報社

 乙が読んだ本です。
 錬金術を題名に入れたのは、利益が生まれるメカニズムを体系化し、投資とビジネスに応用することをねらっているためだとのことです。
 実際、なかなか興味深い部分をたくさん含む本だと思います。
 pp.31-41 マンション投資の本当の恐怖はマンションが売れないことだと説きます。
 p.61 なぜ都会のほうが物価が高いか。都会ではビジネスチャンスが大きいので、時間のほうが貴重だが、地方では時間が余っているので、どちらかといえばカネのほうが貴重である。だから都会のほうが物価が高いと説きます。おもしろい説明です。都会のほうが人件費が高いのですが、この説明なら、それも同じ原理で説明できます。
 p.64 錬金術とは、裁定取引のことであるといいます。ズバリ、ひとことで本質を表現してしまいました。
 p.78 国が保証することで銀行の劣後債の利回りが普通社債の利回りまで低下してしまったことがありました。そのとき、その銀行の「劣後債買い・普通社債売り」の裁定ポジションを取ると良かったとのことです。乙は、いわれて「なるほど」と思いました。こういうのが確実に儲かる方法なんですね。
 pp.98-110 ワイロなどが横行する社会は経済効率が落ちるし、計画経済を延々と実施している国は、突然死するとのことです。前者は中国が当てはまりますね。(安間氏はそうはいっていませんが。)後者にもある程度当てはまりますかね。そういう国の危うさを具体的に指摘してもらったように思いました。
 p.117 新紙幣発行は、結局、「紙幣識別機オーナー」から「紙幣識別機メーカー」への所得移転にすぎないと述べます。ほうほう。そして、このニュースに対する正しい態度としては「紙幣識別機メーカーの株を買う」あるいは「同時に株価指数を売ってヘッジする」という裁定取引を行うことになるというわけです。なるほど。プロはそのように運用するのですね。プロはこういう動きをするのですから、株でアマチュアがプロに勝つなんて、とても難しいことのように思えてきます。
 p.122 ある業界がダメージを受けるようなニュースが流れたときは、それによって儲かる業界(あるいは会社)はどこかと考えることが必要だと説きます。なかなか難しい問題です。これができるのがプロだとすれば、個人投資家はなかなかそのレベルに達しないように思えます。
 pp.152-156 なぜ世界の市場が連動するかを説明しています。ここもおもしろいです。わかったという気になります。
 p.192 コンセンサスを追いかけると、オッズが下がるので、良くないと説きます。投資では、他人と同じ行動をするなとのことです。いわれていることはわかるのですが、いざ、これを実行しようとすると大変です。
 本書はオススメできます。プロがどのように儲けるのか、知っておくといいでしょう。まねすればよいというような単純なものではありませんが、世の中の仕組みが一段と深く理解できるように思えます。




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posted by 乙 at 03:53| Comment(1) | TrackBack(0) | 投資関連本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして。
↓安間さんブログやってるのご存知ですか?
http://wildinvestors.cocolog-nifty.com/blog/
興味がおありじゃないかなと思いカキコしました。
Posted by nicollo at 2006年10月07日 22:22
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