2012年02月12日

石角完爾・田代秀敏(2010.12)『日本国債暴落のシナリオ』中経出版

 乙が読んだ本です。
 日本国債がデフォルトすることを予測しています。なぜそうなるかといえば、日本国債を買う人がいなくなるからです。そして、第4章では、国債が暴落することで、日本国民の生活がどうなるかを描いています。円安、インフレになり、政府、企業、金融機関、農業、年金、公的サービスがどうなるか、変化を予想しています。
 記述はおおむね妥当でしょう。
 一番の問題は、このような日本国債の暴落に備えて、では何をすればいいかということです。本書では第5章で若干の記述がありますが、大したことは書いてありません。基本的には、それを受け止めるしかないというスタンスです。
 投資の観点からは、分散投資をすすめています。まあ当たり前でしょう。しかし、p.203 では「損切りのルールを守る」などということが出てきて、「あれ?」と思ってしまいます。
 それにしても、国債が暴落するとは、一体、いつごろの話なのでしょうか。もしも、今のままの日本のあり方が継続するとして、数年先でしょうか。10年先でしょうか。あるいはまた20年ほど先なのでしょうか。それによって影響が全然異なります。しかし、本書にはそういう時期の話は一切出てきません。なぜなのでしょうか。
 p.18 では、他の記事の引用で「今から50年以内に……」というようなことがちらっと書いてあるのですが、50年後ならば、乙は当然死んでいますから、どうでもいい話です。少なくとも心配するような話ではありません。
 本書を読んで、わかったような気になる一方で、どうにもわからなくなりました。




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posted by 乙 at 11:27| Comment(4) | TrackBack(0) | 投資関連本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
国債が暴落したら、この国債が良いのでは?と考えるのはおかしいでしょうか?
http://www.mof.go.jp/jgbs/topics/bond/10year_inflation-indexed/syouhinsekkei.htm
Posted by 赤野他人 at 2012年02月14日 10:08
赤野他人様
 国債が暴落したら、大変なインフレになると思われます。
 その際、10年後に物価連動でたとえば100倍の元本を償還するつもりだといっても、そのとき、政府にそれに相当するお金があるかという問題です。
 乙は、経済的大混乱の中で、こんな国債を政府が全額償還するなどということはほとんどありえないと思いますね。
 100万円の通常国債が100万円で償還されるのに対して、100万円の物価連動国債が1億円で償還されるとした際、たとえば、8割減で償還されるとして、通常国債は20万円の表面価値しかなくなり、物価連動国債は2000万円の価値になります。しかし、今の物価で考えれば、20万円程度の価値しかないわけですから、大損するという意味で同じことです。もっとも、通常国債は20万円で償還されて、今の2千円の価値しかないのに比べれば、マシだとはいえます。
Posted by at 2012年02月14日 17:07
いつも興味深い話ありがとうございます。早々にご回答ありがとうございます。おっしゃる通り、物価連動国債なら大丈夫と思うのはナイーブ過ぎました。普通国債よりも気持ちましと思う位というご指摘覚えておきます。かといって海外に口座とかを開いていても、外国人が口座を凍結・没収されることは珍しくないでしょうし、貴金属・宝飾品にしていても換金するのが大変そうですし、なかなか難しいですね(もっとも、端から財産がないので実は心配はしていなくて、知的ゲームとして何が正解かを考えているだけで)。昔読んだイボットソンの本には農地が良いというようなのが書かれていた記憶がありますが、如何せん銃規制がある日本では駄目かもしれませんし...お忙しいところありがとうございました。
Posted by 赤野他人 at 2012年02月15日 19:36
2001年に高田創・住友謙一共著の「国債暴落」(中公新書ラクレ)が刊行されてから10年以上が経過しましたが、未だに国債暴落は起きていません(同書自体が「国債が暴落する」との予言を述べた書ではなかった)。当時、国債暴落予想に基づいて某マネー雑誌が、『債券ベアファンド』(=国債先物価格が1日で1下落すると、ファンドの基準価格が同じく4上昇するよう、国債先物の売建てをする投資信託)を推奨したことがありましたが、結果は完全に裏目。同ファンドは、信託報酬等の費用に加え、結果的に『ファンドホルダーが国債金利の4倍を払う』ことになりますので、債券相場が下落しない限り(たとえ横ばいでも)損してしまいます。今現在、債券ベアファンドの基準価格は、当時のたったの3分の1以下に……国債暴落論につられて、うかうかと債券ベアファンドに長期投資しないように気をつけましょう(この種のファンドは、長期投資には絶対に向きません)。
それにしても、10年前より今の方がむしろ国債暴落論は高まっている、というのに、東京証券取引所での国債先物取引の建玉枚数は、当時の半分以下の残高しかありません。「国債が下落すると見込んで売り建てている投資家はほとんどいない」のが実情なのです。
Posted by 麻垣康三 at 2012年02月20日 01:41
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