2006年11月20日

田平雅哉(2006.10)『5年後に資産家になる ドクター田平の「最強」外貨投資』主婦と生活社

 乙が読んだ本です。奥付を見ても発行年月日の記載がなく、それだけで信頼をなくしそうです。2006.10 というのは、アマゾンで確認しました。
 乙は、外貨投資全般を扱った本かと思ってタイトルだけを見てアマゾンで購入してしまいましたが、実は、FX(外国為替証拠金取引)の本でした。
 FXは、乙も少しやっていますが、基本的に、儲かるものではないと思っています。なぜならば、株や債券と違って、為替は本質的に何も利益を生み出さないからです。どう取引したって、ゼロサムゲームである以上、誰かが儲けるということは誰かが損するということです。FXの本だと知っていれば、乙は本書を購入しなかったでしょう。
 さて、乙が本書でおかしいと思ったところを中心にコメントします。
 p.51 図が1枚出ています。「「上がる」確率は株式よりFXのほうが高い」という表題で、東証1部上場銘柄は2000社以上あるから、確率が2000分の1であるのに対して、FXは8通貨ペアだから8分の1だとのことです。一体、何のことをいっているのでしょうか。乙には、田平氏が確率の考え方を理解していないとしか思えませんでした。
 p.149 ポートフォリオ理論を活用すると称して、ドル・円に29%、ユーロ・円に14%、豪ドル・円に57%を投じることを薦めています。これが一番リスクが少ないとのことです。乙は、おかしくて、笑ってしまいました。確かにリスクは少ないかもしれないけれど、こんな配分でリターンが得られるのでしょうか。それぞれの通貨が高くなり、円だけが安くなれば、そういうこともあり得ますが、なかなかそんなことは考えられないと思います。そもそもポートフォリオ理論は、株や債券など、リスクがありながら基本的にリターンがあるものを想定して最適な資産配分を考えるものであって、FXは、基本的にリターンがないものですから、ポートフォリオ理論を活用するという考え方がそもそも間違っていると思います。
 p.150 著者のサイトがあるとのことです。
http://blog.goo.ne.jp/invest555
です。しかし、ここは3ヶ月で閉鎖され、今は
http://invest555.wealth-ii.com/
になっています。次々引越をすることに文句をつけても始まらないとは思いますが、本に URL を書いている以上、そこを訪問する人のことを考えて、しばらくはそこで続けたほうがいいのではありませんか。そうでないなら、本に URL などは書かないようにするべきでしょう。
 乙は、この本を読まないことをおすすめします。


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posted by 乙 at 04:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 投資関連本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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