2012年07月29日

内藤忍(2011.4)『こんな時代を生き抜くためのウラ「お金学」講義』大和書房

 乙が読んだ本です。表紙には「55 Things You Didn't Know About Money」という英語の題名もついています。「Didn't」や「About」は、一般に大文字で書き始めることはないと思われますが、まあ、そんなことはいいでしょう。
 本書は全体が七つの「Step」に分かれ、それぞれが 7,8,6,5,8,10,5 の項目に分かれています。足し算すると、おや、49 個になります。おっと、コラムが六つありますので、それを足すと 55 個になります。
 本書を読んで、どうだったか。乙はひとことでいうと、不満でした。述べてあることは間違いではありません。しかし、そのようなモットーのようなものを書き連ねても、当たり前であり、おもしろくも何ともありません。
 たとえば、Step 1 の@は「お金をほったらかしにしない」です。当然です。ということは、記述の中にいかに具体例を盛り込み、モットーではなく、例に基づいて話ができるかというあたりが書き方のポイントになりそうですが、そこのところが全般に弱く、読んでいて「なるほど!」と思う部分はあまりありませんでした。説得力という点ではイマイチだったように思います。
 もっともだと思いながら、完全に同意できなかったこととしては p.64- の「有名なお店には行かない――同じときに同じことをするのは損――」というのがありました。ゴールデンウィークに海外旅行に行ったり、お盆になると帰省するというようなことは、お金の面でいえば損なのはわかっています。しかし、やっぱりその時期でないとできないことはあるのです。仕事を持っていれば、好きなときに海外旅行というわけにも行きません。仕事がない時期をねらうと、ゴールデンウィークに海外旅行というのは、しかたがないのです。損なことはわかっていても、そうするしかないという感覚でしょうか。
 乙も、退職したら、平日に海外旅行を楽しみたいと思っていますが、そうなるまでは「わかっていてもやめられない」だろうと思います。
 本書を読むなら、若い人でしょう。あまりお金について考えていない人は、こういう本を読んで考え方のポイントを押さえることも大事だと思います。


ラベル:内藤忍
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posted by 乙 at 10:19| Comment(3) | TrackBack(0) | 投資関連本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
GW に旅行に行くか、行かないかなのですが、乙川さんのおっしゃる通りだと思います。GW に行かない場は会社員であれば有給休暇を取って行くことになります。自分の有給休暇の単価(日給)と GW の割増料金を比較すると GW の割増料金のほうが安いことはあり得ると思います。(むしろ多くの人がそうだと思います)そこの観点を飛ばされるとちょっと説得力に欠けますね〜。
Posted by 亀井大輔 at 2012年08月01日 10:18
亀井大輔様
 コメント、ありがとうございました。
 問題は、有給休暇の単価だけではないように思います。
 たとえば、まとめて1週間休暇を取ることで、会社や取引先に多大な迷惑を掛けることだってあるでしょう。結果的に、上司に悪く受けとめられたり、昇進が遅れたりするかもしれません。
 それを考えると、GW 以外の季節に海外旅行というのは、非常に大きなコストを払うことになるかもしれません。
 このあたりは、どういう仕事をしているか、どういうところに勤めているかによって大きく変わってきます。
 内藤さんは、きっとかなり自由時間が取れる勤務形態なのでしょう。
Posted by at 2012年08月01日 11:06
有給休暇を自由に取れるのは責任の無い人。責任ある立場に居れば、自分が休んでも周りに迷惑がかからないようにして有給休暇を取る。親の介護で休まなくてはならなくなっても、いきなり有給休暇は取れない。有給休暇は権利だからと勝手に休むのは単なる職場にいらない人。
Posted by 犬伏正好 at 2012年09月15日 13:52
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