本書は全体が七つの「Step」に分かれ、それぞれが 7,8,6,5,8,10,5 の項目に分かれています。足し算すると、おや、49 個になります。おっと、コラムが六つありますので、それを足すと 55 個になります。
本書を読んで、どうだったか。乙はひとことでいうと、不満でした。述べてあることは間違いではありません。しかし、そのようなモットーのようなものを書き連ねても、当たり前であり、おもしろくも何ともありません。
たとえば、Step 1 の@は「お金をほったらかしにしない」です。当然です。ということは、記述の中にいかに具体例を盛り込み、モットーではなく、例に基づいて話ができるかというあたりが書き方のポイントになりそうですが、そこのところが全般に弱く、読んでいて「なるほど!」と思う部分はあまりありませんでした。説得力という点ではイマイチだったように思います。
もっともだと思いながら、完全に同意できなかったこととしては p.64- の「有名なお店には行かない――同じときに同じことをするのは損――」というのがありました。ゴールデンウィークに海外旅行に行ったり、お盆になると帰省するというようなことは、お金の面でいえば損なのはわかっています。しかし、やっぱりその時期でないとできないことはあるのです。仕事を持っていれば、好きなときに海外旅行というわけにも行きません。仕事がない時期をねらうと、ゴールデンウィークに海外旅行というのは、しかたがないのです。損なことはわかっていても、そうするしかないという感覚でしょうか。
乙も、退職したら、平日に海外旅行を楽しみたいと思っていますが、そうなるまでは「わかっていてもやめられない」だろうと思います。
本書を読むなら、若い人でしょう。あまりお金について考えていない人は、こういう本を読んで考え方のポイントを押さえることも大事だと思います。
ラベル:内藤忍
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コメント、ありがとうございました。
問題は、有給休暇の単価だけではないように思います。
たとえば、まとめて1週間休暇を取ることで、会社や取引先に多大な迷惑を掛けることだってあるでしょう。結果的に、上司に悪く受けとめられたり、昇進が遅れたりするかもしれません。
それを考えると、GW 以外の季節に海外旅行というのは、非常に大きなコストを払うことになるかもしれません。
このあたりは、どういう仕事をしているか、どういうところに勤めているかによって大きく変わってきます。
内藤さんは、きっとかなり自由時間が取れる勤務形態なのでしょう。