20ページほどの投資信託の特集があったので、買ってみました。
グロソブの問題点で始まり、ダメな金融商品として、毎月分配型投信、Bシェア投信(販売手数料を無料にしながらその分を他で取るもの)、リスク限定型投信、元本確保型投信、変額年金保険、セット販売、ファンド・オブ・ファンズ、テーマ別投信(ご当地ファンドや高配当株投信)、バランス型投信を挙げています。もっともな話です。
次に、「内部事情編」として、ファンド業界の内側を暴露しています。運用の腕前が今ひとつで、チャート信奉者が意外に多く、素人と格差がないこと、雑務が多いこと、定時退社が普通の会社もあり、ぬるま湯体質であること、給料は上下の差が大きいこと、ファンドマネジャーは高齢化してきていること、投信の運用会社には親会社からの天下りが多いことを述べています。それぞれのテーマがいかにも週刊誌的ですが、乙はおもしろく読みました。
このあとに、それでも買いたい人にということで、保有コストが安い分野別・投信ランキングがあります。
もっともおもしろいのが「オリジナル投信編」で、投信よりも安いコストで自分の投信を作ろうという話です。pp.56-59 の4ページですが、読みがいがありました。
日本株では、普通の投信よりも TOPIX ETF が安く、それよりも、大型株7銘柄の株でほぼ TOPIX の動きに追随することができるという話は、具体的な銘柄が書いてあって、参考になります。
日本債券は、投信よりも国債そのものがいいということで、これは当然でしょう。
外国株の例として中国株を取り上げますが、ハンセン連動のトラッカー・ファンド・オブ・ホンコンがコストが安いとのことで、乙も同様に思っていました。p.59 によれば、信託報酬 0.09% とあります。乙が以前読んだ話では、
http://otsu.seesaa.net/article/26736371.html
1.4% くらいという話だったので、ちょっと手が出しにくいなあと思っていました。しかし、0.09% ならば、買う一手です。どちらが正しいのでしょうか。
外国債券としては米国債が取り上げられます。米国債を直接買えば投信よりもコストが安いのは当然ですが、コストが具体的にいくらかかるのか、乙は知りませんでした。記事によると、200万円分購入して、5年間保有した場合、35,000 円だそうです。既発債の場合、証券会社の買取と売出の価格差がいわば手数料なのですが、これを見抜くのがなかなか大変なのです。証券会社も電話くらいでは簡単に教えてくれません。この記事によれば、だいたい 0.7% ほどかかり、さらに口座管理料がかかるとのことです。
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別のETFなので、コストが違っても不思議はないですよ。
・コスト1%超
「ハンセンH株指数ETF」(ハンセンH株指数連動)
・コスト0.1%以下
「トラッカー・ファンド・オブ・ホンコン(TraHK)」(香港ハンセン指数連動)
のことだと思います。銘柄によってコスト差が出る理由はいろいろあるでしょうが、1つには資産規模が小さいETFは固定費が無視できなくなる、というのがあると思います。
また、同じ商品でも、どこから買うかによって少し変わります。
・仲介手数料が乗ることがある
・手数料の表記が上限だったり平均だったりする
ex.
・日興こーでぃあるの「TraHK」
0.1%
・ゆないてっどわーるどの「TraHK」
0.025%〜0.05%
うへぇ長い… すんません。
コメントありがとうございます。
乙が勘違いをしていました。
報酬が安いのは香港株価指数(ハンセン指数)連動型だったのですね。いわば香港株ということになりますね。
報酬が高いのはH株指数ですから、こちらが一般には中国株と意識されると思います。
ハンセン指数の中身を見ると、中国企業も入っていますし、香港は中国の一部だから、これを中国株と呼んでも間違いではありませんが、どうにもわかりにくい表現でした。